凝縮器(コンデンサ)

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凝縮器の種類

水冷凝縮器

水の顕熱を利用して凝縮させるもの。
水冷凝縮器の冷却水の出入口温度差は5℃程度、冷媒の凝縮温度は出口温度より5℃程度高い。
水冷式では、シェルアンドチューブや二重管を使用する。

シェルアンドチューブ凝縮器

円筒の胴(シェル)と冷却管(チューブ)で構成されている。
シェル内で満たされた冷媒は冷却管の冷却水で冷やされて、管の外表面で凝縮し、冷媒液は底部にたまる。
底部の冷媒液は、液出口から受液器または膨張弁に送り出される。(冷やしたい方(冷媒)がシェル側)
冷媒の熱伝達率は、水よりも小さいので、冷却管は冷媒側にローフィンチューブを使用している。
ローフィンチューブは、管の外側にねじ状の溝があり、伝熱面積を4倍程度に拡大させた冷却管である。

   シェルアンドチューブ凝縮器
ローフィンチューブ

空冷凝縮器

空気の顕熱を利用して凝縮させるもの。
冷却管の外側で空気がフィンに沿って流れ、冷媒は管の中で凝縮される。
凝縮温度は、流入空気の風量と乾球温度により変化するが、湿球温度の影響は受けない。
水冷凝縮器より冷媒の凝縮温度が高くなる。熱通過率の値は水冷凝縮器のほうが大きい。
空冷凝縮器の凝縮温度は外気温度より12~20℃程度高い。一般的に、入口空気乾球温度を32℃とし、凝縮温度を45~50℃にとっている。

プレートフィン空冷凝縮器

中・小形のフルオロカーボン冷凍装置で広く使用されており、銅管に板状のフィンを2mm程度の間隔で圧着させている。

 プレートフィン

蒸発式凝縮器

冷却塔の原理で、冷却管に散水して水の蒸発潜熱を利用して管内の冷媒を凝縮させる。
空気の湿球温度に比例して、凝縮温度も変化する。
蒸発潜熱を利用するので、空冷凝縮器や水冷凝縮器よりも凝縮温度を低く保つことができる。
冷却塔同様に、蒸発分の補給水が必要で、管壁すべてに水は掛からないので、循環水量は補給水量よりも多くなる。
主にアンモニア冷凍装置で使用される。
蒸発式凝縮器の凝縮温度は外気湿球温度より8℃程度高い。(アンモニアの場合)

凝縮器の構成

凝縮圧力調整弁

凝縮器出口側に取り付けて、凝縮器の圧力が設定圧力以下(冷媒液不足)にならないよう調整する。
(本来は低いほうが効率は良いが、低すぎると冷媒液不足となる)
設定圧力より低くなると、弁を閉じて凝縮器から流出する冷媒液を絞る。代わりに凝縮器を通さないバイパスルートから圧力を供給する。
空冷凝縮器は冬季に外気温が低くなり、凝縮温度の低下とともに凝縮圧力も低下し、冷媒流量が減少する。

冷却水調整弁(制水弁)

水冷凝縮器の冷却水出口側に取り付け、水冷凝縮器の凝縮圧力が一定になるように冷却水量を調整する。
運転停止時は冷却水の供給を止める。

受液器(レシーバ)

凝縮器で液化された冷媒を貯める。
運転状態の変動で発生する冷媒の余剰分を溜めておく所。
受液器出口では蒸気が液と共に流れ出ないような構造になっている。
凝縮器と受液器の間に均圧管を設け、冷媒液が凝縮器から受液器へ落下しやすくしている。
小容量の冷凍装置(冷蔵庫など)では、装置の簡略化のため省略されている。

均圧管

タンクや配管内に圧縮空気を戻し、圧力を均一にする配管。
受液器の気体を凝縮器に戻し、凝縮器と受液器で冷媒液を流下しやすくする。

凝縮器の保守

冷却水の流速は大きいほど熱通過率が大きくなるが、水速は速すぎると、管内の腐食やポンプ動力の増加となるので、1~3m/s程度にする。
冷却水の汚れや水あかは、熱伝導の効率を低下させ、凝縮圧力(温度)の上昇を招く。
装置内の空気(不凝縮ガス)は、凝縮器に溜まるため、熱伝達不良となり、凝縮圧力(温度)が高くなり、冷凍能力が低下する。
圧縮機を停止し、水冷凝縮器に冷却水を20~30分間通水しておき、高圧側圧力計の指示が冷却水温に相当する冷媒飽和圧力よりも高ければ、不凝縮ガス存在の疑いがある。
冷媒の過充てんは、余分な液冷媒が凝縮器に溜まり、伝熱面積が減って凝縮圧力(温度)の上昇と過冷却度の増大をもたらす。


Ver.1.1.0

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