基礎
基礎は、建物の最下部にあり、建物の荷重を地盤に伝え支える部分である。
地層
地層は、新しい順番で、沖積層、洪積層、第三紀層(土丹層)である。
古い方が地耐力が大きい。
洪積層は、主に台地・丘陵等に分布する。
液状化現象は、埋立地や砂質地盤等で起こりやすい。
圧密沈下は、粘土質地盤が圧力により圧縮され沈下することをいう。
地盤の評価
地盤の許容応力度とは、地盤がどのくらいの荷重に耐えられるか(地耐力)を示す値である。
地盤の短期に生ずる力に対する許容応力度は、長期に生ずる力に対する許容応力度の2倍とする。
砂質地盤の長期に生じる力に対する許容応力度は、粘土質地盤より大きい。
地盤の許容地耐力は、地盤の許容支持力(杭の許容力)と許容沈下量(基礎の許容できる沈下量)を考慮して決定する。
標準貫入試験は、地盤の強度や変形などの性質を得るために行う試験である。
基礎の種類
異種の基礎構法の併用は、原則として禁止されている。
直接基礎
建築の荷重を直接地盤に伝える。
地盤が強く、硬質層が浅い所にある場合に使用する。
布基礎(連続フーチング基礎)
立ち上がっている部分のみの点で重みを支える。
一般的な基礎工事で、コストが安い。規模が小さな建物で使用される。
ベタ基礎
立ち上がっている部分と床一面を、鉄筋を入れたコンクリートで一体化して、大きな面で重みを支える。
地耐力が弱いところで使用する。
杭基礎
杭の先端抵抗、表面摩擦で上部の荷重を支える。
地盤が弱く、硬質層が深い所にある場合に使用する。
杭と土の摩擦で支える摩擦杭、硬質層に打ち込んで支える支持杭がある。
基礎部分に関する用語
根枷(ねかせ)
支柱及び電柱の地中埋設部に水平に取り付ける柱の転倒、沈下防止用の補強部材。
コストが安い。
根がらみ
足場の脚部で支柱相互を連結することにより、支柱の横滑りや不等沈下を防ぐ。
フーチング
柱又は壁を支える鉄筋コンクリートの基礎の広がり部分をいう。
柱
鉛直方向に建つ構造部材。
柱の小径は、構造耐力上主要な支点間の1/15以上とする。
柱部分に関する用語
筋交い(ブレース)
柱と柱の間に斜めに入れて建築物や足場の構造を補強する部材。
地震、風圧力に抵抗する。
水平ブレースは、床面や屋根面のような水平構面に入れる斜材である。
壁勝ち(床勝ち・天井勝ち)
壁材と床材天井材の取り合い部分で、壁材が他の部材を貫通する納まり。
壁勝ちとすると、室間の遮音性能の確保、防火区画の構成などが図れる。
逆に床勝ち・天井勝ちとすると、室単位での模様替えや改修に対応しやすい。
ほぞ
木造軸組工法において、ホゾとホゾ穴によって2つの構造材を結合する。
接合部はぐらつくので、ピン接合となる。
柱や束などの端部に、凸型に小さく突出させた直方体の細工をホゾといい、ホゾが入る穴をホゾ穴という。
ベースプレート
柱脚部に取り付ける鋼板の底板。アンカーボルト用の穴があいている。
梁
水平方向にかかる構造部材。
圧縮側、引張側の両方に主筋を配した複筋梁とする。
梁(はり)せいとは、梁断面の下面から上面までの高さをいう。
鉄筋コンクリート構造の梁に設備配管のために設けられた開孔部の径は、一般に梁せいの1/3以下とする。
梁部分に関する用語
合成梁
鉄骨梁とコンクリート床板をスタッドボルトなどにより緊結したもの。
リブ
鉄骨造の構造物の強度を増すために、板材などの要所に設ける補強部材のこと。
壁
壁の種類
耐震壁
開口部がほぼ無く、柱や梁でつくられた骨組みに四辺を固定されたような強度を強くした壁のこと。
厚さが20cm以上の場合には、壁が厚いので、壁筋を複筋配置とする。
カーテンウォール
アルミなどの軽量な外壁で、非耐力壁のことである。
建築構造上取り外し可能な壁であり、建物の自重および建物の荷重は、すべてラーメン構造(柱、梁)で支える。
壁部分に関する用語
ガイドレール
エレベーターやシャッターなどで、振れを制御するためのガイドローラーが入る溝を有したレール。
ランナー
間仕切り壁の軽量鉄骨下地において、ガイドレールとして床と天井に取り付けるコの字形の金属材。
ラス(ワイヤーラス)
外壁や軒天井などの平滑面に、モルタルなどの左官材を付着させるための金属網。
タッカーを使ってホチキスで壁下地に固定する。そのあとで、モルタルをラスにからませて、壁面に固着していく。
巾木(はばき)
壁と床の境目に取り付ける部材。
壁と床にできる隙間を隠して、見た目をきれいにする役割と、掃除機を使用する際に壁にぶつけてクロス等を傷つけない役割がある。
アコーディオンドア
伸縮式の簡易間仕切り。アコーディオンの蛇腹胴に似ている。
天井にガイドレールを取り付け、金属製の枠組みをつって、それを布やレザーで覆った形式のものが多い。
床
床材の種類
スラブ
鉄筋コンクリート造(RC造)の床や屋根のこと。
一般的にコンクリート製で、強度を保つために鉄筋が格子状に埋め込まれている。
デッキプレート
強度を保つために波形に形作られた床用の鋼板。
コンクリートの床板の型枠としても使用される。
キーストンプレート
鉄板を凹凸加工して、亜鉛メッキしたもので、仮設の塀やコンクリートの床下地などに使う。
凹凸の小さなもの。溝の深さが浅い。
チェッカープレート(縞鋼板)
圧延によって表面に連続した滑り止め用の突起を付けた鋼板。
フィラープレート
鉄骨の厚さを調整のために挿入する薄い鋼板。
天井
天井の種類
吊り天井
屋根裏にあたる部分から金属のボルトなどで格子状の枠組みを吊り下げ、その表面に石膏などの天井ボードを取り付けて仕上げた構造の天井。
システム天井
天井裏に設置される空調や照明などの設備を天井ボード材と一体にして組み、下地・枠に組み込むようにしてセットする吊り天井の一種。
天井部分の材料
石膏ボード
石膏を主成分とした素材を板状にして、特殊な板紙で包んだ建築材料。
安価で丈夫であり、断熱・遮音性が高い。壁や天井を造る際には広く使われる。
屋根
鉄筋コンクリート構造の陸屋根は、屋根勾配が極めて緩いか又は水平なものをいう。
屋根の種類
折板(せっぱん)
主に断面の構造に重点を置いて開発された、金属屋根の代表的な屋根工法。
工場・カーポート・車庫などの鉄骨の建物に多く使われている。
最も多いのが、ガルバリウム鋼板である。
ルーフデッキ
折板のミニチュア判を使用した屋根。
屋根部分の用語
目地
建築物や土木構造物において、少し間隔を空けた部材間の隙間・継ぎ目の部分。
れんが・コンクリートブロック・タイルなどを積んだり張ったりした時にできる継ぎ目。
経年変形を吸収するために、シーリングと呼ばれる弾力性のある合成樹脂を充填することが多い。
収縮目地
面積の大きいコンクリートの屋上、壁などに収縮による不規則なひび割れが発生することを防止する目的で設けられる目地。
目地棒
コンクリートに目地を作りたい場合、帯状のくぼみを作るために使用する台形の形をした棒。
窓
ガラスの種類
板ガラス
板状のガラスのこと。
部分的に加熱されると破壊しやすい。
ガラスの主原料は珪砂で、主成分はケイ酸(SiO2)である。不燃材料である。
フロート板ガラスは、ガラス製造過程で浮かせて作るので、良好な平滑平面を有する。
二重サッシ
窓の内側に新しく窓を設置するもの。
断熱効果と遮音効果が期待できる。
複層ガラス
ガラスとガラスの間に中空部(空気層)をもたせたガラスのこと。
空間には、乾燥剤と乾燥空気が封入されている。
断熱効果は期待できるが遮音効果は低い。
真空ガラスは、中空部を真空にした複層ガラスで、真空にして対流を無くすことで断熱性能を向上し、結露をの減らすこともできる。
Low-Eガラス
複層ガラスの空気層で、金属膜をコーディングするもの。
冬場の断熱性を重視して室内側をコーディングした日射取得型と、夏場の遮熱性を重視して室外側をコーディングした日射遮蔽型がある。
熱線反射ガラス
室外側のガラス面に金属酸化物を焼き付けて、日射を反射する。
ミラー効果(鏡面反射)がある。
熱線吸収ガラス
ガラスの中に金属を加えて、着色をして日射を吸収する。
合わせガラス
2枚の板ガラスの間に合成樹脂の中間膜(プラスチックフィルム)をはさみ、熱と圧力で圧着したガラス。
破損しても破片が飛び散らない防犯対策用のガラスで、断熱効果や遮音効果を得るものではない。
網入りガラス
ガラスに金網(ワイヤー)を封入したガラス。
この金網により火災時のガラスの飛散を防止する。
強化ガラス
板ガラスに特殊な熱処理を施し表面に圧縮応力を生じさせ、強度を5倍程度にしたガラス。
破壊しても細粒状になり安全なため、フロントガラスなどに使用する。
耐熱性が高いわけではない。
窓の種類
ルーバー
羽板(はいた)と呼ばれる細長い板を、間隔をあけて平行に組んだもの。
窓や外壁の開口部に使用して、風・光の方向を調節する。
ジャロジーは、ハンドルを回転させて羽根状のガラス板を一斉に開閉できるルーバー窓のこと。
突き出し窓
ガラス戸の上を軸に下側を外に押しだして開くタイプの窓。
滑り出し窓用金具をホイトコと呼ぶ。
ドーマー
屋根に小さな空間を設けて取り付ける窓のこと。
窓部分の用語
サッシ(サッシュ)
ガラス窓に使う、金属製の窓枠のこと。
皿板
サッシの下枠、あるいは下枠に付く水切り板。
額縁
窓や出入り口の枠に取り付ける壁との見切材。
カムラッチ
すべり出し窓、押出し窓、回転窓などのサッシに使われている施錠用のハンドルのこと。
クレセント
引き違いサッシなどの召し合わせ部分に取り付ける、戸締まり用の金物。
タッセル
房という意味で、カーテンを開いたときに、風などで広がらないように纏めておく部材。
ロールスクリーン
ロール状の布をコードで引き下げたり、巻き上げたりすることで開閉するカーテンの一種。
ブラインド
細い帯状のスラット(羽根)を回転させることで、日照や視界をコントロールする窓の覆い。
スラットが横型を「べネチアンブラインド」を言い、縦型を「バーチカルブラインド」と言う。
空間
空間部分の用語
シャフト
下の階から上の階まで貫通する空間のこと。
排煙や給気のためのダクトとして使用する。
鉄板製のダクトを配置する場合と、コンクリート躯体そのものを利用するコンクリートシャフトがある。
設備配管を置く場合はパイプシャフト、エレベーターを設置する場合はエレベーターシャフトと呼ばれる。
ピット
地下に設けた配管を通すための空間。
沢山の配管を地下に設けた空間に通すことで、メンテナンスを簡単にする。
ストックヤード
工事現場や工場における、資材や製品の保管場所。
鳩小屋
設備の給排水や通気管が、屋根を貫通して屋上に突き出す場合に、その突出し部分を覆う小規模の小屋のこと。
配管廻りからの漏水を防ぎ、雨水の浸入を防ぐ。
マンホール
人が入って点検するスペースがあるもの。
ハンドホール
地中に埋設する電線・通信線などの敷設、修理のために設ける桝。
手だけを入れて作業する孔。
踊り場
階段の途中に設けられた平坦な小空間のこと。
スロップシンク(SK)
モップや雑巾などを洗うための掃除用流しのある部屋。SKと略される。
スリット(免振スリット)
鉄筋コンクリート造の建築物全体の構造バランスを保つ目的、また、大きな地震が発生した際に建物の柱や梁のせん断破裂を防止する目的で、柱と壁、梁と壁などを切り離すために入れる隙間。
ハッチ
物を出し入れしたり、人間が潜ったりするための小さな開口部。
外構
外構部分の用語
溝渠(こうきょ)
給排水を目的として造られる水路のうち、小規模な溝状の物の総称。
暗渠
地中に埋設された河川や水路のこと。
側溝
道路や鉄道敷、堤防の堤脚に沿って設けられる溝。
滞水を防ぐための排水目的で施工される。
グレーチング
鋼が格子状に組まれた蓋状の構造材。
トラフ
U字講、道路排水溝および地中に布設する配管・配線などのためのU字形のボックス。
犬走り
住宅などの建築物の隣にある、「犬が通れるくらいの細い道」のこと。
雨水が跳ねて、住宅の壁に水汚れや泥汚れを作るのを防止するために施工する。
キャノピー
傘または蓋状になった天蓋。
建築物では、1階の戸口や窓などに設けた天蓋状の庇で、柱で支えられたり、天井から吊るすなどで、周囲は壁に囲まれていない。
竪樋(たてどい)
地面から縦に設置されている樋のこと。
雨樋は、主に軒樋・集水器・竪樋というパーツを組み合わせて作られている。
ルーフドレン
屋根やベランダ、バルコニー床などに設けられる建物の雨水を排水するとともに、落ち葉等のゴミを集める役割を持つ金物。
丸環
鉄筋コンクリート造の建物の屋上パラペット(外壁)にとりつける金属製の輪。
パラペットのコンクリートに埋設し、外壁や窓の清掃・補修を作業員が行う際に、命綱として使用するロープ等を固定する為に結び付けて利用する。
スロープ
通路の段差を緩やかな勾配でつなげる部分。
擁壁(ようへき)
土圧に抵抗して、盛土又は切土による斜面を支える壁体構造物。
ファサード
街路や広場などに面する建築物の正面をなす外観デザインのこと。
Ver.1.2.2