建築物のごみ管理

スポンサーリンク

ごみ管理の分担

建築物内で発生する廃棄物の分別収集運搬及び貯留について、衛生的かつ効率的な方法により速やかに処理すること。

所有者等の責務

所有者等は、分別ができるような環境を整備し、利用者分別を促すこと。
所有者等は、建築物内廃棄物の処理に必要な容器、集積場所、保管場所等を適切に準備する。(ビルメンテナンス業者ではない)
所有者等は、建物の清潔を保つように努めなければならない。収集・運搬用具は安全で衛生的に管理すること。

ビルメンテナンス事業者の責務

ビルメンテナンス事業者は、建築物内廃棄物の収集・運搬・処理・保管を実施する。
ビルメンテナンス事業者は、必要な場合には、建築物内廃棄物の事後分別を行う。
ビルメンテナンス業者廃棄物処理業者は、廃棄物の減容化に努める。

ビル入居者の責務

ビル入居者は、廃棄物処理のルールを徹底させるため責任者を選任する。
建築物内に診療所など、感染のおそれのある産業廃棄物が排出される場合は、ビル入居者が特別管理産業廃棄物管理責任者を置かなければならない。(所有者等ではない)
ビル入居者は、廃棄物の減量化・減容化に努める。

建築物のごみ

建築物のごみの特徴

  • ホテル:紙類や厨芥類が多い。
  • 事務所:紙類が多い。
  • 病院:ビン類や取り扱いが慎重な物が多い。
  • 百貨店:紙類や発砲スチロールが多い。
  • 家庭・店舗:厨芥類(生ごみ)が多いため、事務所よりも容積質量が大きい。

事務所の再資源化の割合は、店舗や百貨店よりも低い。

ごみ排出量の把握

廃棄物排出量の推定は、原単位(一人一日当たりの排出量)による把握を行う。
廃棄物発生原単位を調べる場合、建物の用途や、延べ床面積や人員数、廃棄物の総質量を把握する。
廃棄物の収集や運搬用具は、各階の排出量によって整備する。

建築物のごみ収集

ごみの分別

ごみの分別とは、収集、運搬、リサイクル(再生利用)、中間処理、最終処分が適切に行われるよう、発生排出元であらかじめ区分することである。
廃棄物は、清掃従事者が事後分別するより、所有者等が分別できるような環境を整備し、利用者が発生時点で分別する環境を作ることが望ましい。

ごみ収集容器

紙くず収集は、キャンバス製コレクタ(大きな布の袋が付いているカート)が用いられる。
厨芥類の収集は、悪臭防止などのため、蓋付きのポリバケツやステンレス製のコレクタが用いられる。
吸殻の収集は、発火防止のため、蓋付きの金属容器を用いる。

ごみの保管場所

悪臭の影響を抑制するため、第3種換気設備や換気扇を設け、室内を負圧にする。
ねずみや害虫類の誘引、侵入防止を図るため防虫・防鼠構造とする。出入口には自動ドアを設ける。
作業性の確保から段差などは設けない。床排水のため、適度な床勾配を確保する。
壁面は、防水加工を施す。
廃棄物・再利用対象物の発生量を予測し、分別・収集・保管が支障なく行えるよう、十分なスペースを確保する。
種類ごとに分別して収集・保管できる構造とする。
他の用途と兼用しない。
給水栓は、大気圧式のバキュームブレーカ付きとする。
感染性廃棄物は、運搬されるまでの保管は極力短期間とするため、短期間の保管を考慮して保管場所を決める。

建築物のごみ搬送

廃棄物発生場所からコレクタ等で集め、廃棄物保管場所に運ぶまでのプロセスが、収集運搬の計画である。
収集運搬用具は、廃棄物の種類ごとに用意し、それぞれの種類ごとに収集時間帯を決めておく。
収集・運搬では、ごみの飛散悪臭騒音等に注意する必要がある。

ごみの搬送方式

搬送方式として、真空収集、水、ダストシュート、自動縦搬送などがある。

真空収集方式

建物のごみシュートと収集所を輸送管(パイプ)で結び、パイプ内の空気を収集所側から吸引することにより、ごみを空気搬送する方式。
衛生性に優れている。
初期コストが高いので、広域大規模開発地域に導入されている。

エレベータ方式

各階フロアでごみを集めてダストカーに載せて、エレベータで建物の下まで運ぶ方式。
ランニングコストがかかるが、設置スペースは少なくてすむ。
分別しやすい方式だが、人手がかかるので作業性は劣る。

ダストシュート方式

各フロアのごみをダストシュートから捨てる方式。
ダストシュート内が汚れる為、衛生面が悪い。危険性に問題がある。

自動縦搬送方式

各階でダストカーを搬送装置にセッティングすれば自動で目的の階まで搬送される方式。
高層建築物に適し、人手がかからないので作業性・衛生性に優れている。

建築物のごみ貯留と搬出

コンパクタ・コンテナ方式

コンパクタ(圧縮機)でごみをコンテナに押し込み、そのコンテナごと搬出する方式。
防災性作業性に優れている。
ランニングコスト(維持管理費用)が少ないため、大規模建築物で用いる。
厨芥類の投入には適さない。

貯留・搬出機方式

スクリューまたはドラムの回転によって、ごみを圧縮貯留してパッカ車に自動的に積み替えられる装置(貯留排出機)を使用する方式。
防災性防犯性に優れている。
初期コストが少ないため、中規模建築物で用いる。

容器方式

ポリバケツなどを使用し、人力で搬出する。
衛生性に劣り、作業性が悪い
初期コストが少ないため、小規模建築物で用いる。
広い設置スペースが必要になる。



Ver.1.2.1

タイトルとURLをコピーしました