廃棄物の種類と処理
プラスチック類
中間処理方法として圧縮がある。
一般廃棄物中のプラスチック類は、大部分が分別されずに焼却処分されている。
都市部では、質量比で10%前後が混入している。
燃焼すると発熱量が多い。
ビン・缶類
缶類の中間処理方法には、圧縮がある。圧縮率が1/4~1/3のものが多い。
缶類の処理として、自動的にスチール缶とアルミ缶を分けて圧縮し、ブロック状にする方式がある。
破砕機によるプラスチック容器・ビン・缶の破砕は、占有物積を減少させ、埋立に適している。
ポリ塩化ビニル
ポリ塩化ビニル(PVC)が燃焼すると、塩化水素が発生する。
汚泥
汚泥は、濃縮と脱水を行い、その後埋め立て又は焼却する。
廃酸、廃アルカリ
廃酸、廃アルカリは、埋め立て処理できない。(最終処分場は無い)
実際には、焼却処分するか、中和処理して再利用されるのが一般的である。
病院からの廃棄物
病院からの感染性病原体を含むおそれのある廃棄物は、焼却、溶融、滅菌を行い処分する。
滅菌装置は、注射針の処理に用いられる。
廃棄物の鉱さい
廃棄物の鉱さいは、骨材として再利用される。(燃料ガスではない)
紙類
中間処理方法として、保管スペースを確保するための圧縮・梱包(こんぽう)機が用いられる。
減容化にならないので中間処理方法として、切断はない。
厨芥
中間処理方法として、粉砕、脱水、乾燥がある。
冷蔵庫は、厨芥類の保管に用いられる。
廃棄物の処理装置
破砕機
ビン、缶などの廃棄物を破砕する大型機械。
シュレッダ
切断し、粉砕する機械の総称。
一般的には、情報漏洩を防ぐために、書類などのOA紙を細かく切断するために用いられる。
パッカ車
一般廃棄物の収集輸送作業に使用される車。
梱包機
ダンボール・新聞・雑誌などの減容に用いられる。
(缶やプラスチックなどの圧縮梱包機もあるが、ビル管試験では紙類と覚える)
紙の圧縮、梱包で資源回収に有効である。
溶解固化装置
電気の熱で発泡スチロールを溶かし、その後、固まるまで冷ますことで減容化させる。
発泡スチロール・プラスチックの処理に用いられる。
堆肥化装置
ごみの堆肥化(コンポスト)は、発酵槽で適度に通気し、機械的にすき返しをすると、2~3日で温度が50℃以上となり、粗堆肥ができる。
厨芥類を処理する生ごみ処理機には、減量を目的とした乾燥機や、リサイクルを目的とした堆肥化装置がある。
高速堆肥化施設は、ごみの資源化に該当する。
圧縮装置
缶やプラスチックなどの減容に用いられる。
(紙類などの圧縮梱包機もあるが、ビル管試験では缶やプラスチックと覚える)
建築物内で用いられている廃棄物用の圧縮装置は、圧縮率が1/4から1/3のものが多い。
廃棄物処理施設
中間処理
中間処理の目的は、廃棄物の無害化・資源化・減量化・減容化・安定化が挙げられる。
建築物内の中間処理では、搬出・運搬の効率化、保管スペースの節約、再利用化などを行う。
中間処理される廃棄物の中では、直接焼却される廃棄物の割合が80%程度でもっとも多い。
小型焼却炉は、ダイオキシン発生などの問題があるため、条例などで設置は制限されている。
建築物に導入されている設備は、破砕・圧縮などを行う比較的小規模なものが多い。
中間処理を行わず埋め立てられる廃棄物の割合は、10%を下回る。
中間処理あるいは資源化を行っても残渣は発生し、焼却処理で発生した残渣の大部分は最終処分場に埋立処分しなければならない。
最終処分場
廃棄物の最終処分(埋め立て処分)を行う場所。
最終処分場の維持管理は、技術基準や構造指針が定められている。
ごみの最終処分場の確保は難しく減少傾向で、焼却処理や資源化によって埋立量の削減が図られている。
現在ある最終処分場が満杯になるまでの残り期間の推定値を残余年数、埋め立て可能量を残余容量として、毎年環境省から発表されている。
ごみの最終処分は、埋め立て処分によるため、水質汚濁防止対策に関係する。
最終処分場の環境影響評価は、地域住民の意見を参考にし、市町村によって対象となる基準が異なるので、一定規模以下によっては行わなくてよい。
一般廃棄物の最終処分場は、産業廃棄物の管理型最終処分場と同等の一般廃棄物最終処分場となる。
産業廃棄物の最終処分場は、埋め立て処分される廃棄物の環境に与える影響の度合いによって、以下の3種類に分かれる。
管理型最終処分場
遮断型・安定型の最終処分場の対象外の産業廃棄物を埋め立てる。
紙くず、ごみ焼却灰、汚泥など。
安定型最終処分場
廃棄物の性質が安定している5品目廃棄物を埋め立てる。
廃プラスチック類・金属くず・ガラス陶磁器くず・ゴムくず・がれき類の5品目である。
遮断型最終処分場
「金属等を含む産業廃棄物の埋立処分に係る判定基準」により管理型最終処分場で処理できない廃棄物を埋め立てる。
燃え殻、ばいじん、汚泥、鉱さい、PCB部品などの有害な廃棄物である。
埋め立て処分方式
埋め立て処分の方式には、陸上埋立と水面埋立がある。
埋立完了後も長期にわたって浸出水が流出するが、表面が安定すれば、害虫や臭気も無く、公園や住宅地として利用可能である。
廃棄物処理設備の保守
収集・運搬設備、貯留設備など廃棄物処理設備は、6カ月以内ごとに1回、定期に点検する。
廃棄物の処理設備は、定期に点検し、必要に応じ、補修、消毒を行う。
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