問題

方針
「地中送電線路」「線路定数」などの広範囲な問題です。(平成10年問8と同じ問題です)
導体の知識については、「表皮効果」「近接効果」「抵抗温度係数」から考えます。
解法
(1)
「線路定数」
送電線路の特性を示すもので、抵抗R・作用インダクタンスL・作用静電容量C・漏れコンダクタンスgの4つを等価回路として表している。
漏れコンダクタンスは、値が小さいので通常無視される。
地中送電線路も架空送電線路も同じなので、〇となります。
(2)
「表皮効果」
導体に直流を流した場合、電流は導体を均等に流れるが、交流は導体の表面を流れること。交流の場合は磁束が変化する為、電流を妨げる向きに誘導電流(渦電流)が中心部分に流れて元の電流の抵抗となる。
「近接効果」
並行した導体に、電流が同じ方向に流れれば吸引力が働き、逆方向に流れれば反発力が働く。いずれも導体内の電流に偏りが生じて電流密度が不均一になり、導体の抵抗は増加する。
上記のとおり、「表皮効果」「近接効果」ともに電流を妨げる作用となるので、抵抗は大きくなります。従って✖となります。
(3)
「抵抗温度係数」
抵抗値は温度の変化とともに変化していき、その変化の割合を抵抗温度係数という。
金属の抵抗は温度が上昇すると増加する。
上記より〇となります。
(4)(5)
「地中電線路」
線間距離が小さく、ケーブルを使用するため静電容量が大きくなり、インダクタンスは小さくなる。
上記より〇となります。
解答
誤りは(2)となります。