電験三種(令和5年度上期) 電力 問15

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問題

方針

(a)は、汽力発電の「ランキンサイクルの効率と出力」「発電端熱効率」に関する問題です。
(b)は、「燃焼計算」に関する問題です。

解法

(a)

「発電端熱効率」
ボイラに入力した燃料エネルギーに対する、発電機が出力したエネルギーの比率。
一時間当たりの「発電端熱効率」の式

$\displaystyle η_P=\frac{3600P_G}{BH} $

$B$:1時間あたりの燃料消費量 [$kg/h$]
$H$:燃料発熱量 [$kJ/kg$]
$P_G$:発電機出力 [$kW$]

発電所の定格出力が600MWより、発電機出力PG=600×103kW
一時間当たりの石炭消費量150t/hより、燃料消費量B=150×103kg/h
石炭発熱量34300kJ/kgより、燃料発熱量H=34300kJ/kg
上記の値を「発電端熱効率」の式に代入します。

$\displaystyle η_P=\frac{3600P_G}{BH}=\frac{3600×600×10^3}{150×10^3×34300}=0.4198≒42.0 \ [\%] $

(b)

燃焼の化学反応式で、二酸化炭素CO2が生成される式は以下の式となる。

$\displaystyle C+O_2→CO_2 $

炭素C(1mol)と酸素O2(1mol)が結合し、二酸化炭素CO2(1mol)が生成される。
炭素Cの原子量(12)より、炭素C(1mol)の質量は12gとなる。
二酸化炭素CO2の分子量は、C+O2=12+16+16=44なので、二酸化炭素CO2(1mol)の質量は44gとなる。

1日に発生する二酸化炭素の重量を求めたいので、1日の炭素の重量を求めます。
一時間の石炭消費量が150tなので、1日の石炭消費量は150×24=3600tとなります。
石炭の重量比で炭素は70%なので、1日の炭素消費量は3600×0.7=2520tとなります。
化学反応式より、炭素1mol(12g)で二酸化炭素1mol(44g)が生成されることが分かります。
1日の炭素量2520tで生成される二酸化炭素の重量Xを比例式より求めます。

$\displaystyle 12:44=2520:X $
$\displaystyle X=9240≒9.2×10^3 \ [t] $

解答

(a)の解答は(3)となります。
(b)の解答は(4)となります。

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