電験三種(令和5年度上期) 法規 問13

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問題

方針

風圧荷重に関する計算問題です。(平成30年問11と同じ問題です)
風圧荷重の適用区分」「風圧荷重の計算式」より求めたいと思います。

解法

(a)

「風圧荷重の適用区分」
季節・区域によって5種類に分類され、使用する風圧荷重は甲種、乙種、丙種で分かれる。

  • 高温季:甲種。
  • 高温季(人家が多く重なる場所):丙種。
  • 低温季(氷雪多い地方、海岸・最大風圧を生じる区域):甲種または乙種の大きい方。
  • 低温季(氷雪多い地方、上記以外):乙種。
  • 低温季(氷雪少ない地方):丙種。

求めたいのは、低温季の風圧荷重となります。
問題文より、「氷雪が多い地方のうち、海岸地その他の低温季に最大風圧を生じる地方」とあるので、風圧荷重の適用区分は上記より、「甲種または乙種の大きい方」となります。
甲種と乙種の風圧荷重を求めて比較します。

「風圧荷重の計算式」
電線1条・1mあたりの風圧荷重は、以下の式で表される。
単位風圧荷重[N/m]=垂直投影面積(電線の束の外径)[m]×圧力[N/m2 or Pa]
垂直投影面積とは、電線を横から見た場合の単位長さ当たりの面積で、電線の外径に等しい。
※より線(7/3.2mm)の場合は、3.2mmの電線7本の束なので→外径は3.2mm×3と考える。

垂直投影面積は、電線の外径なので、問題文より15mm=0.015mとなります。
まず、甲種の風圧荷重を求めます。

「甲種の風圧荷重計算」
風速40m/s以上を想定した風洞実験より、甲種風圧荷重の圧力は980Paとして計算する。
甲種風圧荷重[N/m]=垂直投影面積(電線の束の外径)[m]×圧力(980)[Pa]

問題文にも記述がありますが、甲種風圧荷重の圧力は980Paとなります。

$\displaystyle 甲種風圧荷重=垂直投影面積×圧力=0.015×980=14.7 \ [N/m] $

次に乙種の風圧荷重を求めます。

「乙種の風圧荷重計算」
乙種の垂直投影面積は、6mmの氷雪が付着すると仮定し、電線の外径+(6mm×2)とする。
甲種風圧荷重の圧力980Paの1/2を圧力として計算する。
乙種風圧荷重[N/m]=垂直投影面積(電線の外径+(6mm×2))[m]×圧力(980×1/2)[Pa]

問題文にもあるとおり氷雪の厚さは6mmなので、垂直投影面積は、電線の両側に氷雪が付着した外径となります。また、圧力は甲種風圧荷重の圧力980Paの1/2として計算します。
上記の式から乙種風圧荷重を求めます。

$\displaystyle 乙種風圧荷重=垂直投影面積×圧力=(0.015+(0.006×2))×(980×\frac{1}{2})=13.23 \ [N/m] $

甲種または乙種の大きい方なので、甲種風圧荷重の「14.7N」となります。

(b)

適用される風圧荷重は「甲種または乙種の大きい方」なので、甲種風圧荷重<乙種風圧荷重となるような電線の外径Hを求めます。

$\displaystyle 甲種風圧荷重=H×980 $
$\displaystyle 乙種風圧荷重=(H+(0.006×2))×980×\frac{1}{2} $

$\displaystyle H×980<(H+(0.006×2))×980×\frac{1}{2} $
$\displaystyle H<0.012 \ [m] $

上記より「12mm」となります。

解答

(a)の解答は(3)となります。
(b)の解答は(2)となります。

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