問題

方針
同期発電機の誘導起電力を求める計算問題です。
問題文で、磁束Φ、極数p、回転速度N、巻き数w、巻線係数kが与えられているので、「同期機の誘導起電力」「同期機の回転速度」の式を使いたいと思います。
結線がY結線なので、線間の誘導起電力Vは、求めた一相の誘導起電力Eの√3倍であることに注意します。
解法
「同期機の誘導起電力」の式
$\displaystyle E=4.44kfwΦ \ [V] $
$E$:誘導起電力 [$V$]
$k$:巻線係数
$f$:周波数 [$Hz$]
$w$:1相の巻数
$Φ$:1極の磁束 [$Wb$]
「同期機の回転速度」の式
$\displaystyle N_s=\frac{120f}{p} \ [min^{-1}] $
$N_s$:回転速度 [$min^{-1}$]
$f$:周波数 [$Hz$]
$p$:磁極数
「同期機の誘導起電力」の式で、巻線係数k=0.95、1相の巻数w=250、1極の磁束Φ=0.10Wbが分かっているので、周波数fを「同期機の回転速度」の式より求めます。
1分間の回転速度Ns=600min-1、極数p=12なので、周波数fは以下となります。
$\displaystyle N_s=\frac{120f}{p} $
$\displaystyle 600=\frac{120f}{12} $
$\displaystyle f=60 \ [Hz] $
周波数f=60Hzなので、「同期機の誘導起電力」の式より誘導起電力Eを求めます。
$\displaystyle E=4.44kfwΦ=4.44×0.95×60×250×0.10=6327 \ [V] $
一相の誘導起電力Eが分かったので、Y結線より線間の誘導起電力Vを求めます。
$\displaystyle V=\sqrt{3}E=\sqrt{3}×6327=10945 \ [V]≒11.0 \ [kV] $
解答
解答は(4)となります。
相電圧の6.33kVが選択肢にあるので、うっかり(3)を選択するミスをしそうです。