電験三種(令和5年度上期) 機械 問9

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問題

方針

変圧器の効率を求める問題です。(平成29年問8と同じ問題です)
問題文には、変圧器の定格容量S、力率cosθ、全負荷運転時の鉄損と銅損が与えられています。
最大効率の時なので、「変圧器の規約効率」の式を使って、無負荷損=負荷損のときの効率を求めます。

解法

「変圧器の規約効率」の式
負荷率αの負荷が接続された時の定格容量Sの変圧器の効率η’は以下の式となる。

$\displaystyle η’=\frac{αScosθ}{αScosθ+P_i+α^2P_c}×100 \ [\%] $

$η’$:効率
$α$:負荷率
$S$:定格容量 [VA]
$cosθ$:力率
$P_i$:鉄損
$α^2P_c$:銅損

負荷率は、α=負荷/全負荷=負荷の皮相電力/定格容量で表される。
最大効率は無負荷損(鉄損)=負荷損(銅損)の時なので、Pi=α2Pcの時である。

問題文より、変圧器の定格容量S=50kVA、力率cosθ=1で全負荷運転時の銅損1000W、鉄損250Wとあるので、負荷率α=1の時、銅損Pc=1000W、鉄損Pi=250Wとなります。
最大効率となるのは、Pi=α2Pcの時なので、上記の値より、最大効率時の負荷率αを求めます。

$\displaystyle P_i=α^2P_c $
$ 250=α^2×1000 $
$ α=0.5 $

負荷率αが分かったので、「変圧器の規約効率」の式より効率η’を求めます。
鉄損Piは負荷によって変化しないので、最大効率の時は、鉄損Pi=銅損α2Pc=250Wとなります。

$\displaystyle η’=\frac{αScosθ}{αScosθ+P_i+α^2P_c}×100=\frac{0.5×50×10^3×1}{0.5×50×10^3×1+250+250}×100≒98.0 \ [\%] $

解答

解答は(4)となります。

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