問題
方針
「単巻変圧器」に関する計算問題です。
(a)については「直列巻線」の電流は、「負荷容量」の式より求めたいと思います。
(b)については「自己容量」の式より求めたいと思います。
解法
(a)
「直列巻線」
二次側のみの部分。
「負荷容量」
二次側に負荷を接続した時の変圧器の容量(皮相電力)で、一次側=二次側となる。
$\displaystyle S=E_LI_L=E_HI_H \ [VA] $
$\displaystyle I_L=I_1+I_2 I_H=I_1 $
問題文より、定格一次電圧3000V、定格二次電圧3300Vで、負荷接続後の一次電圧がEL=3000Vなので、二次電圧は定格通りEH=3300Vとなります。
この時の一次電流はIL=100Aなので「負荷容量」の式より、二次電流IHを求めます。
$\displaystyle
E_LI_L=E_HI_H
$
$3000×100=3300×I_H$
$I_H≒90.9 \ [A]$
直列巻線の電流I1=二次電流IHなので、
$\displaystyle I_1=I_H=90.9 \ [A] $
(b)
「自己容量」
直列巻線部分と分路巻線部分の容量(皮相電力)で、直列巻線部分=分路巻線部分となる。
$\displaystyle S=E_1I_1=E_2I_2 \ [VA] $
$\displaystyle I_L=I_1+I_2 $
$\displaystyle E_H=E_1+E_2 E_L=E_2 $
(a)で直列巻線の電流I1=90.9Aを求めているので、「自己容量」として直列巻線部分の容量Sを求めたいと思います。
直列巻線の電圧E1は、二次電圧EHから一次電圧ELを引くと求まります。
$\displaystyle S=E_1I_1=(E_H-E_L)×I_1=(3300-3000)×90.9=27270 \ [VA]≒27.3 \ [kVA] $
解答
(a)の解答は(4)となります。
(b)の解答は(2)となります。