問題


方針
RLC直列回路のインピーダンス、リアクタンス、共振などに関する問題です。(平成24年問7と同じ問題です)
直列共振については「RLC直列共振回路」
回路のリアクタンスについては「RLC直列回路の合成インピーダンス」「誘導性リアクタンス」「容量性リアクタンス」の式
リアクタンスの位相については「コイルの特性」「コンデンサの特性」
上記より考えたいと思います。
解法
(ア)(イ)
「RLC直列共振回路」
等価回路上では、コイルとコンデンサ部分は無くすことができるので、回路の合成インピーダンスは抵抗Rのみとなる。
共振状態の場合、LCの電圧は合成すると打ち消され、すべての電圧が抵抗Rにかかるので、電流値(I=V/Z=V/R)は最大となる。
「RLC直列回路の合成インピーダンス」の式
$\displaystyle |\dot{Z}|=\sqrt{R^2+(X_L-X_C)^2}=\sqrt{R^2+\left(ωL-\frac{1}{ωC}\right)^2} $
問題文にあるように、コイル(誘導性リアクタンス)XLと、コンデンサ(容量性リアクタンス)XCの大きさが等しくなった時が共振状態で、合成インピーダンスZはXLーXC=0となり小さくなります。
電流値はI=V/Zなので合成インピーダンスZが小さくなると電流値は大きくなります。
従って、(ア)は「小さく」、(イ)は「大きな」となります。
これに該当する選択肢は(2)(3)(5)となります。
(ウ)(オ)
「誘導性リアクタンス」の式
$\displaystyle X_L=ωL=2πfL \ [Ω] $
$ω$:角周波数 [$rad/s$]
$L$:インダクタンス [$H$]
$f$:周波数 [$Hz$]
「容量性リアクタンス」の式
$\displaystyle X_C=\frac{1}{ωC}=\frac{1}{2πfC} \ [Ω] $
$ω$:角周波数 [$rad/s$]
$C$:静電容量 [$F$]
$f$:周波数 [$Hz$]
問題文の通り、共振周波数はXL=XCとなる周波数です。
リアクタンスの式の通り、周波数が高くなると誘導性リアクタンスXL=2πfLは大きくなり、容量性リアクタンスXC=1/2πfCは小さくなります。周波数が低くなると逆になります。
共振周波数より低い周波数では、容量性リアクタンスXCが大きくなり、回路は容量性となります。
共振周波数より高い周波数では、誘導性リアクタンスXLが大きくなり、回路は誘導性となります。
従って、(ウ)は「容量性」、(オ)は「誘導性」となります。
これに該当する選択肢は(1)(3)(5)となります。
(エ)(カ)
「コイルの特性」
電圧を基準にすると電流はπ/2遅れる。
「コンデンサの特性」
電圧を基準にすると電流はπ/2進む。
容量性はコンデンサの特性なので、電圧を基準にすると電流はπ/2進みます。
誘導性はコイルの特性なので、電圧を基準にすると電流はπ/2遅れます。
従って、(エ)は「進んだ」、(オ)は「遅れた」となります。
これに該当する選択肢は(1)(3)となります。
解答
(ア)~(カ)すべてを満たすのは(3)となります。