問題

方針
コイルに生じる誘導起電力を求める問題です。(平成16年問9と同じ問題です)
問題文にインダクタンスLと、時間とコイルに流れる電流iの変化の図があるので、「コイルの自己誘導起電力」の式を使って誘導起電力vを求めたいと思います。
解法
「コイルの自己誘導起電力」の式
$\displaystyle E=-N\frac{ΔΦ}{Δt}=-L\frac{ΔI}{Δt} \ [V] $
$E$:誘導起電力 [$V$]
$N$:巻数
$ΔΦ$:磁束変化 [$Wb$]
$Δt$:時間変化 [$s$]
$L$:自己インダクタンス [$H$]
$ΔI$:電流変化 [$A$]

「コイルの自己誘導起電力」の式の通り、誘導起電力Eは時間変化Δtに対する電流の変化量ΔIで決まります。
問題の図2より、電流iの時間変化があるのは①②③の3箇所で、すべて直線的変化です。
①は、5msで1.0mA変化しています。
②は、5msで0.5mA変化しています。
③は、2msで0.5A変化しています。
問題文よりインダクタンスL=5Hなので、それぞれの誘導起電力E1、E2、E3を求めて、最大となるものを探します。
$\displaystyle E_1=-L\frac{ΔI}{Δt}=-5×\frac{1.0×10^{-3}}{5×10^{-3}}=-1.0 \ [V]$
$\displaystyle E_2=-L\frac{ΔI}{Δt}=-5×\frac{0.5×10^{-3}}{5×10^{-3}}=-0.5 \ [V]$
$\displaystyle E_3=-L\frac{ΔI}{Δt}=-5×\frac{0.5×10^{-3}}{2×10^{-3}}=-1.25 \ [V]$
最大の誘導起電力の大きさ|v|は、③の時の値|E3|=1.25Vとなります。
解答
解答は(4)となります。