問題
方針
「発電機の速度調整率」に関する問題です。
「発電機の速度調整率」の式は問題文で与えられているので、それを使用してタービン発電機と水車発電機の変化後の出力P2をそれぞれ求めます。
解法
「発電機の速度調整率」
調速機の設定を変えずに、水車やタービンの出力負荷を変化させた時、水車やタービンの回転速度がどの程度変化するかを表す率。
$\displaystyle SR=\frac{\displaystyle \frac{N_2-N_1}{N_n}}{\displaystyle \frac{P_1-P_2}{P_n}}×100=\frac{\displaystyle \frac{f_2-f_1}{f_n}}{\displaystyle \frac{P_1-P_2}{P_n}}×100 $
問題文の式は回転速度nですが、周波数fに置き換えても同様となります。
タービン発電機の与えられている値は以下のようになります。
タービン発電機の速度調整率=5%
定格出力Pn=1000MW
初期出力は80%出力なので、P1=1000×0.8=800MW
定格周波数fn=50Hz
出力P1での周波数は定格周波数なので、f1=50Hz
変化後の出力P2での周波数は0.2Hz低下するので、f2=50ー0.2=49.8Hz
上記の値を式に代入して、変化後の出力P2を求めます。
$\displaystyle SR=\frac{\displaystyle \frac{f_2-f_1}{f_n}}{\displaystyle \frac{P_1-P_2}{P_n}}×100 $
$\displaystyle 5=\frac{\displaystyle \frac{49.8-50}{50}}{\displaystyle \frac{800-P_2}{1000}}×100 $
$\displaystyle P_2=880 \ [MW] $
タービン発電機の変化後の出力は「880MW」となります。
水車発電機も同様に求めます。
水車発電機の速度調整率=3%
定格出力Pn=300MW
初期出力は60%出力なので、P1=300×0.6=180MW
定格周波数fn=50Hz
出力P1での周波数は定格周波数なので、f1=50Hz
変化後の出力P2での周波数は0.2Hz低下するので、f2=50ー0.2=49.8Hz
上記の値を式に代入して、変化後の出力P2を求めます。
$\displaystyle 3=\frac{\displaystyle \frac{49.8-50}{50}}{\displaystyle \frac{180-P_2}{300}}×100 $
$\displaystyle P_2=220 \ [MW] $
水車発電機の変化後の出力は「220MW」となります。
解答
解答は(4)となります。