問題

方針
様々な発電(分散型電源)についての範囲の広い問題です。((4)以外は令和3年問6と同じ問題です)
(1)については「太陽光発電の構成」「パワーコンディショナ(連系保護装置)」
(2)については「逆潮流」
(3)については「水力発電の流量取得」
(4)については「直流送電の利点」
(5)については「燃料電池」
上記より考えたいと思います。
解法
(1)
「パワーコンディショナ(連系保護装置)」
インバータによって太陽電池で作られた直流を交流に変換する。
配電系統へ連系するため、発電量を調整し、系統電圧の上昇を抑制する保護装置も内蔵している。
位相・周波数を監視し、単独運転時の系統からの引き離しを行う。
上記の通り、太陽電池の直流を交流に変換する装置です。系統の停電時は「単独運転」時の処理となります。
従って〇となります。
(2)
「逆潮流」
分散型電源設置者(太陽光発電など)から、一般送配電事業者の運用する電力系統へ向かう有効電力の流れのこと。
逆潮流が発生すると、配電線の電圧が上昇して、需要家端子電圧を逸脱する可能性が出てくる。
上記の通り、逆潮流は配電線の電圧上昇を起こします。問題文のとおり、(1)の連系保護装置などで電圧上昇を抑制します。
従って〇となります。
(3)
「流れ込み式」
川の水を自然の流れでそのまま引き込んで利用する。
小水力発電が多い。
上記の通り、小水力発電で使用される水力発電の流量取得方式です。
従って〇となります。
(4)
「直流送電の利点」
- 交流と比較して高価な変換設備が必要だが、安定度が高く送電線路のコスト(導体本数が2条でよい)が小さいので、送電距離が長くなれば経済的である。
- リアクタンスによる無効電力や誘導損の問題がないので電力損失が少ない。電圧降下・上昇が無い。直流間は内部インピーダンスが大きいので、交流系統を直流で連系すると系統のインピーダンスが大きくなり、短絡容量(短絡電流)は減少する。
- ケーブルによる送電でも静電容量による充電電流がない。充電電流の影響がないので地絡電流が少なく、アークホーンを省くことができる。
- 電圧の最大値と実効値が等しいので、同実効電圧の交流よりも電圧が小さくなり、交流に比べて絶縁強度(耐電圧値)は小さくできる。絶縁が容易で絶縁距離が少なくてすむ。
- 異なった周波数の系統間連系ができる。
- 送電容量を決める場合の安定度の制約がない。
上記の通り、充電電流の考慮がいらないのは、直流送電の利点の一つとなります。
従って〇となります。
(5)
「燃料電池」
水の電気分解の逆反応を利用して直流電圧を得るもの。
水素と酸素との発熱反応を利用した熱エネルギーを得ることができ、それを利用した燃料電池発電がある。
上記の通り、燃料電池発電は水素と酸素の発熱反応の熱を利用するものです。
従って✖となります。
解答
誤りは(5)となります。