問題
方針
「送配電線路の調相・電圧調整設備」に関する問題です。(平成29年問13と同じ問題です)
(1)については「パワーコンディショナ(連系保護装置)」
(2)については「変電所の役割」
(3)については「進相コンデンサの設置」
(4)については「その他の電圧調整方法」
(5)については「高圧自動電圧調整器(SVR)」「進相コンデンサ(SC)」「分路リアクトル」「静止形無効電力補償装置(SVC)」
上記より考えたいと思います。
解法
(1)
「パワーコンディショナ(連系保護装置)」
インバータによって太陽電池で作られた直流を交流に変換する。
配電系統へ連系するため、発電量を調整し、系統電圧の上昇を抑制する保護装置も内蔵している。
上記より〇となります。
(2)
「変電所の役割」
- 過負荷や事故時に系統の切換えを行う。(電力潮流の調整)
- 調相設備(低負荷時は分路リアクトルの投入、過負荷時は電力用コンデンサの投入)の開閉により無効電力の調整を行う。
- 配電線路の電圧調整として、負荷時電圧調整器(LRA)や負荷時タップ切換変圧器(LRT)を使用している。
- 配電線路の短絡・地絡保護のために、過電流継電器と地絡方向継電器が設けられている。需要家はこれらの継電器と保護協調を取らなければならない。
- 配電線路
上記より〇となります。
(3)
「進相コンデンサの設置」
配電線上流側ではなく、負荷に近い位置に並列に接続すると効果が高い。
高周波抑制効果からも低圧側に接続する低圧用コンデンサが主流になっている。但し負荷の数が多い場合は、経済的観点から母線設置の高圧用コンデンサを使用する。
上記の通り、低圧配電線路の力率改善は、負荷に近い低圧配電線路毎に設置するのが効果が高いです。
従って✖となります。
(4)
「その他の電圧調整方法」
- 電線の太線化によって抵抗を減らすことで電圧降下を減らす。
- 配電線に昇圧器を設置する。
- 負荷の別系統への切換えにより適正電圧にする。
- 柱上変圧器のタップ切替や、設置位置の変更によって適性電圧にする。
- 進相コンデンサ(電力用コンデンサ)による力率調整で電圧を調整する。
上記より〇となります。
(5)
「高圧自動電圧調整器(SVR)」
高圧架空配電線の電圧降下対策として、配電線路の途中に直列に設置する。
自動でタップ切換えを行うことで電圧を調整する変圧器。
「進相コンデンサ(SC)」
負荷設備に電力が供給された場合の遅れ無効電力を、コンデンサの進み無効電力で打ち消し、電力損失(電圧降下)を改善する。(力率を改善する)
「分路リアクトル」
電力系統の静電容量の増加に伴う電圧上昇を抑制するため、遅れ無効電力を供給する設備。
「静止形無効電力補償装置(SVC)」
無効電力の流れを調整して電圧を一定に保つ調相設備。
上記より〇となります。
解答
誤りは(3)となります。
様々な設備名が出てきますが、進相コンデンサの設置位置の知識があれば(3)を選択できそうです。