電験三種(令和5年度下期) 電力 問13

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問題

方針

「配線方式と電力損失」の問題です。
電線の電力損失は「単相2線式」「単相3線式」の式より求めます。
問題では、接続された負荷の抵抗値ではなく負荷容量PLの記述なので、負荷の計算は「単相有効電力」の式より求めます。

解法

「配線方式と電力損失」
「単相2線式」
往復2本の線に電流が流れる分の電力損失を表す。

電力損失 $\displaystyle p=2RI^2 \ [W] $

「単相3線式」
平衡負荷で中性線は0と考えて、2本の線に電流が流れる分の電力損失を表す。
(負荷が不平衡の場合は、中性線の電力損失分が加わる)

電力損失 $\displaystyle p=2RI^2 \ [W] $

「単相有効電力」の式

$\displaystyle P=VIcosθ=I^2R=\frac{V^2}{R} \ [W] $

電力損失の式より「単相2線式」「単相3線式」共に同じ式となり、線路の抵抗損は電流値と線路の抵抗値が求まると計算できます。
問題では、接続された負荷の抵抗値ではなく負荷容量PLの記述なので、「単相有効電力」の式より、電流値を求めます。接続されている負荷は抵抗負荷なので力率は1となります。
単相2線式の回路を考えます。

電圧100Vで負荷容量PLなので、「単相有効電力」の式より電流I2を求めます。

$\displaystyle P_L=VIcosθ=100×I_2×1 $

$\displaystyle I_2=\frac{P_L}{100} $

線路の電力損失P2は、線路の抵抗をR2とすると「単相2線式」の式より以下となります。

$\displaystyle P_2=2R_2{I_2}^2=2R_2\left(\frac{P_L}{100}\right)^2 $

単相3線式の回路を考えます。

電圧200Vで負荷容量PL/2+PL/2なので、「単相有効電力」の式より電流I3を求めます。

$\displaystyle \frac{P_L}{2}+\frac{P_L}{2}=VIcosθ=200×I_3×1 $

$\displaystyle I_3=\frac{P_L}{200} $

線路の電力損失P3は、線路の抵抗をR3とすると「単相3線式」の式より以下となります。

$\displaystyle P_3=2R_3{I_3}^2=2R_3\left(\frac{P_L}{200}\right)^2 $

単相2線式の線路の抵抗損1に対して、単相3線式の線路の抵抗損は1/5なので、以下の式より線路の抵抗の倍数を求めます。

$\displaystyle P_3=\frac{1}{5}P_2 $

$\displaystyle 2R_3\left(\frac{P_L}{200}\right)^2=\frac{1}{5}×2R_2\left(\frac{P_L}{100}\right)^2 $

$\displaystyle \frac{R_3}{R_2}=0.8 $

解答

解答は(4)となります。

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