電験三種(令和5年度下期) 機械 問1

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問題

方針

直流機の電機子反作用」に関する問題です。(令和1年問2と同じ問題です)
電機子反作用対策として「補極」「補償巻線」などがあります。

解法

(1)

「直流機の電機子反作用」
電機子巻線の電流によって作られる磁束が、界磁巻線による主磁極の磁束に影響を与えること。

上記よりとなります。

(2)

「直流機の電機子反作用」
主磁束に対して電機子電流による磁束はπ/2[rad]ずれている
電流が流れていないときの幾何学的中性軸は、電機子巻線の電流が作る磁束によりずれ、電気的中性軸となる。
発電機の場合は、横方向の主磁束に対し、電機子巻線の磁束がπ/2下方向に働き、合成磁束は回転方向の右下になるため、電気的中性軸が回転方向側に傾く。
電動機の場合は、横方向の主磁束に対し、電機子巻線の磁束がπ/2上方向に働き、合成磁束は回転方向の右上になるため、電気的中性軸が回転方向と反対側に傾く。

発電機
電動機

上記のように直流機の電機子反作用では、界磁電流の主磁束と電機子電流による磁束は、同じ方向ではなくπ/2[rad]ずれていて、その結果として中性軸がずれてしまう現象です。
従ってとなります。

(3)

「補償巻線」
固定子の主磁極片にスロットを設けて電機子導体と平行に巻線を施し、電機子電流と反対の電流を流すことで電機子の起磁力を打ち消す。

上記よりとなります。

(4)

「補極」
固定子の主極と主極の間に補磁極を置いて電機子反作用磁束を局部的に打ち消し、整流中のリアクタンス電圧を打ち消す。

上記よりとなります。

(5)

「直流機の電機子反作用」の説明のとおり、幾何学的中性軸は電機子反作用によって電気的中性軸にずれてしまいます。幾何学的中性軸にあるブラシの位置を電気的中性軸に合わせて移動させれば、電機子反作用の副作用を緩和できます。
従ってとなります。

解答

誤りは(2)となります。

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