電験三種(令和5年度下期) 機械 問18

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問題

方針

伝達関数に関する問題です。(平成20年問17と同じ問題です)
(a)の伝達関数の出力/入力は、交流回路の「オームの法則」「合成インピーダンス」を使って電圧の式を作ります。
(b)のブロック線図は「フィードバック結合」に当てはめて考えたいと思います。

解法

(a)

問題文と回路図より、伝達関数G1(jω)の入力量V1(jω)と出力量V2(jω)は電圧なので、それぞれの回路部分の電圧を求めます。

「オームの法則(交流)」

$\displaystyle V=ZI \ [V] $

$V$:電圧 [$V$]
$Z$:合成インピーダンス [$Ω$]
$I$:電流 [$A$]

「RLC直列回路の合成インピーダンス」

$\displaystyle \dot{Z}=\dot{Z_R}+\dot{Z_L}+\dot{Z_C}=R+jωL+\frac{1}{jωC}=R+j\left(ωL-\frac{1}{ωC}\right) $

入力量V1(jω)は、RC直列回路部分の電圧なので電流をIとすると以下となります。

$\displaystyle V_1(jω)=ZI=\left(R+\frac{1}{jωC}\right)I $

入力量V2(jω)は、抵抗R部分の電圧なので電流をIとすると以下となります。

$\displaystyle V_2(jω)=RI $

伝達関数G1(jω)の式に代入して整理します。

$\displaystyle G_1(jω)=\frac{V_2(jω)}{V_1(jω)}=\frac{RI}{\left(\displaystyle R+\frac{1}{jωC}\right)I}=\frac{jωCR}{1+jωCR} $

(b)

「フィードバック結合」

問題の図1を上記の「フィードバック結合」に当てはめると、G1=K、G2=G1(jω)となります。

$\displaystyle X(jω)=\frac{K}{1+K・G_1(jω)}Y(jω) $

問題文の通り変形して、Kを一つにまとめます。

$\displaystyle G(jω)=\frac{X(jω)}{Y(jω)}=\frac{K}{1+K・G_1(jω)}=\frac{1}{\displaystyle \frac{1}{K}+G_1(jω)} $

Kが非常に大きいとき1/K≒0となるので、(a)の式を代入すると以下となります。

$\displaystyle G(jω)=\frac{1}{G_1(jω)}=\frac{1+jωCR}{jωCR}=1+\frac{1}{jωCR} $

解答

(a)の解答は(5)となります。
(b)の解答は(3)となります。

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