電験三種(令和5年度下期) 理論 問18

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問題

方針

接合型FETのソース接地増幅回路」に関する問題です。(平成24年問18と同じ問題です)

解法

(a)

「接合型FETのソース接地増幅回路(自己バイアス)」

ゲート-ソース間の電圧VGSはバイアス電圧(接合型nチャネルなので負電圧)で、この電圧を中心に入力信号が変化する。
バイアス電圧VGSは抵抗RSによって決まる。
FETなのでゲート電流IG=0であり、抵抗RSの電流はドレイン電流IDとなる。従って以下が成り立つ。
VS= RS×ID
ゲートは抵抗RGにより接地されていて、VG=0となる。従って、以下が成り立つ。
VS+VGS=0

問題の「接合型FETのソース接地増幅回路」の抵抗Rsは、下記の式が成り立ちます。
VS= RS×Id
また、抵抗Rsの電圧Vsは、下記の式が成り立ちます。
VS+Vgs=0
問題の図2より動作点Pのバイアス電圧Vgs=-1.8V、ドレイン電流Id=1.8mAであることが分かります。
抵抗RSの電圧VSを求めます。

$\displaystyle V_S=0-V_{gs}=0-(-1.8)=1.8 \ [V] $

抵抗RSを求めます。

$\displaystyle R_S=\frac{V_S}{I_d}=\frac{1.8}{1.8×10^{-3}}=1×10^3 \ [Ω]=1 \ [kΩ] $

(b)

電圧増幅度Avは、入力電圧viに対する出力電圧voで求まるので、問題の図3の小信号等価回路より、出力電圧voを求めます。
出力側の回路は、抵抗RDとRLの並列回路で、電流はIdなので、電圧voを求めます。

$\displaystyle v_o=\frac{R_DR_L}{R_D+R_L}I_d \ [V] $

回路図より定電流源の電流はId=gmviとなります。

$\displaystyle v_o=\frac{R_DR_L}{R_D+R_L}I_d=\frac{R_DR_L}{R_D+R_L}g_mv_i \ [V] $

RD=5kΩ、RL=2.5kΩ、gm=6mSを代入して、電圧増幅度Avを求めます。

$\displaystyle A_v=\frac{v_o}{v_i}=\frac{R_DR_L}{R_D+R_L}g_m=\frac{(5×10^3)×(2.5×10^3)}{(5×10^3)+(2.5×10^3)}×(6×10^{-3})=10 $

解答

(a)の解答は(4)となります。
(b)の解答は(1)となります。
(a)に関しては「接合型FETのソース接地増幅回路(自己バイアス)」を知らないと難しいと思われます。

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