問題

方針
水力発電の水車、分類に関する問題です。
(1)(2)については「ペルトン水車」
(3)については「水撃作用(ウォーターハンマ)」
(4)については「流れ込み式」「水路式」
(5)については「クロスフロー水車」
上記より考えたいと思います。
解法
(1)(2)
「ペルトン水車」
衝動水車。
ノズルから出た水がバケットに当たる衝撃でランナ(羽根車)が回転する。
ランナ部で圧力水頭を用いないので、水流が空気中を通過する。
ニードル弁によって水量を調整する。
比速度が小さいので高落差が必要である。
流量が変化しても効率が落ちないので、負荷変動の激しいところに適している。

上記より、(1)(2)は〇となります。
(3)
「水撃作用(ウォーターハンマ)」
水車に流入する水を急に遮断すると、流水のもつ運動エネルギーのために水圧管路内に高い圧力が発生する。この圧力が水圧管の両端で往復伝搬して衝撃を与えてしまう現象。
水車入口弁の急閉などで流速変化が急激なときや、水圧管路が長いほど大きくなる。
防止するには、水車入口弁の閉鎖時間を長くしたり、衝撃を吸収するサージタンクを設ける。
ぺルトン水車には、そらせ板(デフラクタ)をつけ、負荷急減などの非常時に水の方向をそらせてバケットに当たらないようにしてから、ニードルを徐々に閉めて水撃作用を緩和する。
反動水車には、水の圧力を逃がす制圧機を設けて水撃作用を緩和する。
上記の通り、噴流を急速に止めると水撃作用が起きるため、デフラクタを使用してニードル弁を徐々に止めるので✖となります。
(4)
「流れ込み式」
川の水を自然の流れでそのまま引き込んで利用する。
小水力発電が多い。
「水路式」
取水口から長い水路を経て、落差のある所で発電する。
ダムを使用する場合に比べ建設費が安い。
上記のように「流れ込み式」「水路式」は大規模な発電設備ではないので、小水力発電で多く使用されます。従って〇となります。
(5)
「クロスフロー水車」
衝動水車と反動水車の特性を併せ持つ水車。
少水量、低落差で使用する。

上記より〇となります。
解答
誤りは(3)となります。