電験三種(令和6年度上期) 電力 問2

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問題

方針

水力発電の「揚水所要電力」「水力発電機出力」を求める計算問題です。
落差」に注意して計算します。

解法

「落差」
実際の出力計算で使用する落差は、物理的な落差から損失分を引いたものとなる。

  • 有効落差:総落差-損失水頭(導水の摩擦などの損失分を高さで表したもの)
  • 総落差:取水の静止面と放水地点の水面との差。

「揚水所要電力」
揚水の使用電力は流量と揚程で求まるが、実際の使用電力は理論電力に対して、ポンプ効率、電動機効率を考慮したものとなる。
揚水で使用する電力の揚程Hは総落差+損失分となる。(発電時の有効落差とは逆となる)

$\displaystyle P_0=\frac{9.8QH}{η_pη_m} \ [kW] $

$P_0$:揚水所要電力 [$kW$]
$Q$:流量 [$m^3/s$]
$H$:有効揚水高 [$m$]
$η_p$:ポンプ効率
$η_m$:モータ効率

問題文の数値より、上記の式を使用して電動機入力P0を求めます。
流量:Q=100m3/s
有効揚水高:H=200+(200×0.025)=205m
ポンプ効率:ηp=0.85
モータ効率:ηm=0.98

$\displaystyle P_0=\frac{9.8QH}{η_pη_m}=\frac{9.8×100×205}{0.85×0.98}≒241176 \ [kW]≒241 \ [MW] $

「水力発電機出力」
水力発電の出力は流量と有効落差で求まるが、実際の発電機出力は理論出力に対して、水車効率、発電機効率を考慮して、少ないものとなる。

発電機出力=$9.8QHη_tη_g \ [kW] $

$Q$:流量 [$m^3/s$]
$H$:有効落差 [$m$]
$η_t$:水車効率
$η_g$:発電機効率

問題文の数値より、上記の式を使用して発電機出力PGを求めます。
流量:Q=100m3/s
有効落差:H=200ー(200×0.025)=195m
水車効率:ηt=0.85
発電機効率:ηg=0.98

$ P_G=9.8QHη_tη_g=9.8×100×195×0.85×0.98=159186 \ [kW]≒159 \ [MW] $

解答

解答は(4)となります。

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