電験三種(令和6年度上期) 電力 問13

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問題

方針

三相3線式の電力損失より電線の断面積を求める計算問題です。(平成24年問10と同じ問題です)
電線の断面積を求めるために「抵抗」の式、送電損失を求めるために「三相3線式の電力損失」の式、送電線の電流値を求めるために「三相有効電力」の式を使用したいと思います。

解法

「抵抗」の式

$\displaystyle R=ρ\frac{l}{A} \ [Ω] $

$R$:抵抗 [$Ω$]
$ρ$:抵抗率 [$Ω・m$]
$A$:面積 [$m^2$]
$l$:長さ [$m$]

「抵抗率」
導体の電気の流れにくさを表す数値。(断面積1m2、長さ1m当たりの抵抗)
単位は、[Ω・m]。

問題は電線の最小断面積を求める問題なので、電線のこう長ℓ=20kmで、求める断面積をAとして、抵抗Rを求めます。
断面積1mm2、長さ1m当たりの抵抗が1/35Ωより、抵抗率ρを求めます。

$\displaystyle ρ=\frac{1}{35}×10^{-6} \ [Ω・m] $

$\displaystyle R=ρ\frac{l}{A}=\frac{1}{35}×10^{-6}×\frac{20×10^3}{A}≒\frac{0.57×10^{-3}}{A} \ [Ω] $

「三相3線式の電力損失」の式

$\displaystyle p=3RI^2 \ [W] $

「三相有効電力」の式

$\displaystyle P=\sqrt{3}VIcosθ \ [W] $

$P$:有効電力 [$W$]
$V$:線電圧 [$V$]
$I$:線電流 [$A$]
$θ$:相電圧と相電流の位相差 [$rad$]

「三相3線式の電力損失」の式に必要な電流値Iを「三相有効電力」の式より求めます。
問題文より、受電端電圧V=33kV、力率θ=0.9、受電端電力6600kWとありますが、三相3線式の2回線の電力なので1回線分の受電端電力は、P=6600/2=3300kWとなります。
1回線の電流値Iは以下となります。

$\displaystyle 3300×10^3=\sqrt{3}×3.3×10^3×I×0.9 $

$\displaystyle I≒64.23 \ [A] $

受電端電力の5%以下の送電損失にしたいので、許容できる送電損失pは以下となります。

$\displaystyle p=3300×0.05=165 \ [kW] $

三相3線式の電力損失pが、上記の許容できる送電損失165kW以下になるような抵抗の最小断面積Aを求めます。

$\displaystyle p \geq 3RI^2 $

$\displaystyle 165×10^3 \geq 3×\frac{0.57×10^{-3}}{A}×(64.23)^2 $

$\displaystyle A \geq 42.76×10^{-6} \ [m^2]≒42.8 \ [mm^2] $

解答

解答は(4)となります。

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