電験三種(令和6年度上期) 法規 問13

スポンサーリンク

問題

方針

B種接地抵抗」「D種接地の等価回路」に関する計算問題です。(平成22年問12と同じ問題です)

解法

(a)

「B種接地抵抗値」
B種接地の接地抵抗値RBは、高圧側の1線地絡電流Igによって規定される。(電技解釈第17条)
混触した時に低圧電路の電位上昇を150V以下になるようにする。

  • RB<=150/Ig
  • RB<=300/Ig(低圧電路の対地電圧が150V超で、高圧側に2秒以内に自動遮断する装置がある場合)
  • RB<=600/Ig(低圧電路の対地電圧が150V超で、高圧側に1秒以内に自動遮断する装置がある場合)

問題文の(ア)より、高圧側の1線地絡電流はIg=5Aです。
問題文の(イ)より、低圧電路の対地電圧が150Vを超えたときに、高圧側を0.8秒以内に遮断する装置が設けられています。
従って、上記のB種接地抵抗値の条件の3番目に該当します。接地抵抗地RBはの上限は以下となります。

$\displaystyle R_B≦\frac{600}{I_g} $

$\displaystyle R_B≦\frac{120}{3}=40 \ [Ω] $

(b)

「D種接地の等価回路」
人体の抵抗RHは条件や場所によるが、およそ1500~5000Ωである。
感電防止のためD種接地を行うが、D種接地抵抗RDが小さいほど接触電圧Vは小さくなり、感電の危険は小さくなる。
Vは大地と接地点(金属側)の電位差(対地電圧)である。
D種接地抵抗RDが人体の抵抗RHより小さければ、人体側に電流は流れない。
人体抵抗RHがない場合は省略し、RB+RD直列の等価回路とする。

$\displaystyle I_g=\frac{E}{R_B+\displaystyle \frac{R_DR_H}{R_D+R_H}} \ [A] $

$\displaystyle I_H=\frac{R_D}{R_D+R_H}I_g \ [A] $

$I_g$:地絡電流 [$A$]
$I_H$:人体に流れる電流 [$A$]
$E$:対地電圧 [$V$]
$V$:接触電圧 [$V$]
$R_D$:D種接地抵抗 [$Ω$]
$R_B$:B種接地抵抗 [$Ω$]
$R_H$:人体の抵抗 [$Ω$]

問題文より、人体の抵抗RH=6000Ω、使用電圧E=100V、人体に流れる電流IH=10mA、(a)よりB種接地抵抗値RB=40Ω、人体に流れる電流IH=10mAとなります。
上記の式より、地絡電流Igを求めます。

$\displaystyle I_g=\frac{E}{R_B+\displaystyle \frac{R_DR_H}{R_D+R_H}}=\frac{100}{40+\displaystyle \frac{6000R_D}{R_D+6000}} \ [A] $

上記の式より、D種接地抵抗RDを求めます。

$\displaystyle I_H=\frac{R_D}{R_D+R_H}I_g $

$\displaystyle 0.01=\frac{R_D}{R_D+6000}×\frac{100}{40+\displaystyle\frac{6000R_D}{R_D+6000}} $

$\displaystyle R_D≒60 \ [Ω] $

解答

(a)の解答は(4)となります。
(b)の解答は(5)となります。

タイトルとURLをコピーしました