電験三種(令和6年度上期) 機械 問15

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問題

方針

巻線形誘導電動機に関する計算問題です。(平成12年問12と同じ問題です)
(a)については、滑りとトルクが比例関係にあることから「誘導機の回転速度」の式より滑りを求めたいと思います。
(b)については「比例推移」の式より回転速度を求めたいと思います。

解法

(a)

「誘導機の回転速度」の式

$\displaystyle N=\frac{120f}{p}(1-s)=N_s(1-s) \ [min^{-1}] $

$N$:回転速度 [$min^{-1}$]
$f$:周波数 [$Hz$]
$p$:磁極数
$s$:滑り(0<s<1)
$N_s$:同期速度(回転磁界の速度) [$min^{-1}$]

周波数f=60Hz、磁極数p=6、回転速度N=1170min-1より、「誘導機の回転速度」の式を使って滑りsを求めます。

$\displaystyle 1170=\frac{120×60}{6}(1-s) $

$\displaystyle s=0.025 $

滑りとトルクは比例関係にあるので、トルクが80%なら滑りも80%となります。

$\displaystyle s’=\frac{80}{100}×0.025=0.02 $

(b)

「比例推移」の式
巻線形誘導電動機のトルクを一定とした場合、滑りが二次抵抗に比例する性質を比例推移という。

$\displaystyle \frac{r_2}{s}=\frac{r_2+R}{ms}=一定 $

$r_2$:二次回路の抵抗 [$Ω$]
$R$:外部抵抗 [$Ω$]
$s$:変化前の滑り
$ms$:変化後の滑り

(a)で求めたトルク80%時の滑りs’=0.02、二次回路の抵抗値r2の状態から、抵抗器を接続して抵抗値を2.5倍に変更とした場合の滑りmsを「比例推移」の式より求めます。

$\displaystyle \frac{r_2}{0.02}=\frac{2.5r_2}{ms} $

$\displaystyle ms=0.05 $

滑りがms=0.05となった時の回転速度N’を「誘導機の回転速度」の式より求めます。

$\displaystyle N’=\frac{120×60}{6}(1-0.05)=1140 \ [min^{-1}] $

解答

(a)の解答は(2)となります。
(b)の解答は(3)となります。

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