電験三種(令和6年度上期) 理論 問1

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問題

方針

等電位線」に関する問題です。(平成18年問2と同じ問題ですが、選択肢の順番が違います)
等電位線の間隔は、電位差によって決まるので、電位差を求めます。
異なる誘電率の合体コンデンサ」より直列接続の二つのコンデンサに分解して考えます。
コンデンサの直列接続」「コンデンサの電気量」「静電容量」より電位差を求めたいと思います。

解法

「等電位線」
電位の等しい点を結んだ線。(地図の等高線に相当する)
等電位線の間隔の狭いところは、電界の強さが大きく、電位の傾き(電位差)も大きい。

「異なる誘電率の合体コンデンサ」
誘電率が異なる誘電体や、極板が挿入された場合は、直列・並列接続の二つのコンデンサに分解して考える
「コンデンサの直列接続」
各コンデンサに溜まる電荷量は等しい

図1のコンデンサは以下のような直列接続として考えられます。

「コンデンサの電気量」の式

$\displaystyle Q=CV \ [C] $

$Q$:電荷 [$C$]
$C$:静電容量 [$F$]
$V$:電圧 [$V$]

「静電容量」の式

$\displaystyle C=\frac{εA}{d} \ [F] $

$C$:静電容量 [$F$]
$ε$:誘電率 [$F/m$]
$A$:板の面積 [$m^2$]
$d$:板の距離 [$m$]

「コンデンサの電気量」の式から、二つのコンデンサの電気量Q1、Q2を求めます。

$\displaystyle Q_1=C_1V_1 $

$\displaystyle Q_2=C_2V_2 $

「静電容量」の式より、板の面積をA、二つのコンデンサの板の距離が同じdと仮定します。
比誘電率(εS)は、真空の誘電率(ε0)に対する媒質の誘電率(ε)なので、εS=ε/ε0となります。比誘電率はε1=1、ε2=6より、静電容量C1、C2を求めます。

$\displaystyle C_1=ε_1ε_0\frac{A}{d}=1×ε_0\frac{A}{d} $

$\displaystyle C_2=ε_2ε_0\frac{A}{d}=6×ε_0\frac{A}{d} $

コンデンサの直列接続では、各コンデンサに溜まる電荷量は等しいのでQ1とQ2は等しくなります。

$\displaystyle Q_1=Q_2 $

$\displaystyle C_1V_1=C_2V_2 $

$\displaystyle ε_0\frac{A}{d}V_1=6ε_0\frac{A}{d}V_2 $

$\displaystyle V_1=6V_2 $

$\displaystyle \frac{V_1}{V_2}=6 $

上記より、空気のコンデンサの電位差V1は、固体のコンデンサの電位差V2の6倍となります。
従って、電位差の大きい空気のコンデンサ部分の方が等電位線の間隔は狭くなることが分かります。
これを満たす選択肢は(5)となります。

解答

解答は(5)となります。

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