問題

方針
直流回路の問題です。(令和5年上期問5と同じ問題です)
抵抗Rの電力を求めるには、抵抗Rを流れる電流値または電圧を求める必要があります。
複数の起電力を持つ回路なので、解く方法は複数あると思いますが、今回は抵抗R間を開放した時の電位差が求められそうなので「テブナンの定理」を使って、抵抗Rの電流値を求めたいと思います。
解法
①求めたい抵抗(コンデンサ)の両端部分を端子abとして取り出し、端子ab+起電力+内部抵抗の直列回路と仮定した等価回路を作成する。

②元の回路で、端子ab間の開放時の電圧(電位差)を求める。

a側は起電力60Vに抵抗40Ωが2つ直列接続、b側は起電力80Vに抵抗60Ωが2つ直列接続されているので、a側の電位は30V、b側の電位は40Vとなり、ab間の電位差は10Vとなります。
③元の回路で、起電力を短絡して、端子ab間に起電力があると仮定したときの抵抗の和を求める。

2つの起電力を短絡して端子abからの見た回路を作ると、抵抗40Ωの並列回路と抵抗60Ωの並列回路の直列接続となります。合成抵抗R’を求めます。
$\displaystyle R’=\frac{40×40}{40+40}+\frac{60×60}{60+60}=50 \ [Ω] $
④②の電圧を等価回路の起電力の値、③の抵抗を内部抵抗の値として、等価回路に当てはめる。

②で求めたab間の電位差10Vを起電力とし、③で求めた合成抵抗R’=50Ωを内部抵抗として、①の等価回路に代入します。
等価回路は起電力10V、抵抗R=10Ωと内部抵抗R’=50Ωの直列回路なので、抵抗Rの電流Iは以下のようになります。
$\displaystyle I=\frac{10}{50+10}≒0.167 \ [A] $
抵抗Rの電力Pを、電力の式P=I2Rより求めます。
$\displaystyle P=I^2R=(0.167)^2×10≒0.28 \ [W] $
解答
解答は(1)となります。