電験三種(令和6年度上期) 理論 問7

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問題

方針

電力が最大となる抵抗を求める問題です。(平成19年問5と同じ問題ですが、選択肢の順番が違います)
抵抗R2に流れる電流から「ジュールの法則」を使用して電力の式を作り、分母が最小となってジュール熱が最大となるような値を「最小の定理」より求める方法もあるのですが、とても長い式となってしまいます。
ここでは「最大供給電力の定理」を使用して抵抗R2の値を求めたいと思います。
最大供給電力の定理を使用するための回路の変形には「テブナンの定理」を利用します。

解法

「最大供給電力の定理」
内部抵抗r、起電力Eの電圧源と抵抗Rを接続した回路で、抵抗Rの電力が最大となるのはR=rの時で、電力の最大値はE2/4rとなる。

問題文の回路を作成すると以下のようになります。

上記の回路では可変抵抗R2と内部抵抗rのほかに抵抗R1が存在するので、「最大供給電力の定理」を使用するために、テブナンの定理を利用して可変抵抗R2を残して、残りの抵抗を一つにまとめた回路を作成します。

①求めたい抵抗(コンデンサ)の両端部分を端子abとして取り出し、端子ab+起電力+内部抵抗の直列回路と仮定した等価回路を作成する。

抵抗R2の両端をabとして取り出し、等価回路を作成します。

②元の回路で、端子ab間の開放時の電圧(電位差)を求める。

端子abの電位差Vabは、rとR1の直列回路のR1の電圧なので分圧の式より以下となります。

$\displaystyle V_{ab}=\frac{R_1}{r+R_1}E \ [V] $

③元の回路で、起電力を短絡して、端子ab間に起電力があると仮定したときの抵抗の和を求める。

起電力を短絡して端子abからの見た回路を作ると、rとR1の並列回路となるので合成抵抗は以下となります。

$\displaystyle r’=\frac{rR_1}{r+R_1} \ [Ω] $

④②の電圧を等価回路の起電力の値、③の抵抗を内部抵抗の値として、等価回路に当てはめる。

上記の回路を「最大供給電力の定理」に当てはめると、R2=r’の時に抵抗R2の電力は最大になるのでR2の値は以下となります。

$\displaystyle R_2=\frac{rR_1}{r+R_1} \ [Ω] $

解答

解答は(3)となります。
「最大供給電力の定理」を使用した解法を知らないと、解くのが難しい問題と思われます。

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