電験三種(令和6年度上期) 理論 問8

スポンサーリンク

問題

方針

共振回路」の共振周波数を求める問題です。(平成26年問9と同じ問題ですが、選択肢の順番が違います)
誘導性リアクタンス」「容量性リアクタンス」の式より共振周波数を求めます。
回路Aと回路Bの直列回路では「合成インダクタンス」「合成静電容量」の式を使用します。

解法

「共振回路」
RLC直列回路(並列回路)において、誘導性リアクタンスと容量性リアクタンスが等しく、互いを打ち消しあう状態を共振と呼ぶ。
共振回路では、誘導性リアクタンスと容量性リアクタンスが無くなり抵抗だけの成分となり、電流と電圧は同相となる。
XL=XC(ωL=1/ωC)の時、共振となりその時の周波数を共振周波数f0と呼ぶ。

上記より、共振周波数はXL=XCが成り立つ周波数となります。

「誘導性リアクタンス」の式

$\displaystyle X_L=ωL=2πfL \ [Ω] $

$ω$:角周波数 [$rad/s$]
$L$:インダクタンス [$H$]
$f$:周波数 [$Hz$]

「容量性リアクタンス」の式

$\displaystyle X_C=\frac{1}{ωC}=\frac{1}{2πfC} \ [Ω] $

$ω$:角周波数 [$rad/s$]
$C$:静電容量 [$F$]
$f$:周波数 [$Hz$]

回路Aは、LとCの直列回路なので共振回路では以下が成り立ちます。

$\displaystyle 2πf_AL=\frac{1}{2πf_AC} $

$\displaystyle f_A=\frac{1}{2π\sqrt{LC}} $

回路Bは、2LとCの直列回路なので共振回路では以下が成り立ちます。

$\displaystyle 2πf_B×2L=\frac{1}{2πf_BC} $

$\displaystyle f_B=\frac{1}{2π\sqrt{2LC}} $

回路Cは、Lと2Lの直列接続、CとCの直列接続の回路なので、合成インダクタンスと合成静電容量を求めてから、共振回路の式を作ります。

「コイルの直列接続」の合成インダクタンスの式

$\displaystyle L=L_1+L_2 $

「コンデンサの直列接続」の合成静電容量の式

$\displaystyle C=\frac{C_1C_2}{C_1+C_2} $

$\displaystyle L’=L+2L=3L $

$\displaystyle C’=\frac{C×C}{C+C}=\frac{C}{2} $

$\displaystyle 2πf_{AB}×3L=\frac{1}{2πf_{AB}×\displaystyle\frac{C}{2}} $

$\displaystyle f_{AB}=\frac{1}{2π\sqrt{1.5LC}} $

fA、fB、fABの分母を比較すると、大小関係は以下となります。

$\displaystyle f_B \lt f_{AB} \lt f_A $

解答

解答は(3)となります。

タイトルとURLをコピーしました