電験三種(令和6年度上期) 理論 問11

スポンサーリンク

問題

方針

トランジスタの「バイポーラ型」「ユニポーラ型(FET)」の特徴に関する問題です。(平成15年問10と同じ問題ですが、選択肢の順番が違います)

解法

「バイポーラ型」
電流の増幅や回路のON/OFFスイッチングを行う素子。
入力電流の有無でターンオン、ターンオフが可能である。
ベース(B)、コレクタ(C)、エミッタ(E)の3端子で構成される。
入力電流(ベース電流)で出力電流(コレクタ―エミッタ電流)を制御する電流制御素子である。
キャリアが電子と正孔の両方なので、バイポーラトランジスタと呼ばれる。

「バイポーラ型の特徴」

  • 消費電力大きい
  • スイッチング動作:遅い。(少数のキャリア蓄積があるため、スイッチングが変わったときに少数キャリアが戻るまでの時間がかかり、スイッチングが遅くなる)
  • 温度安定性:弱い。
  • 入力インピーダンス小さい。(電流が入力側の方へ損失してしまい、小さい信号だと伝わらなくなってしまう)
  • 耐性強い
  • オン抵抗(コレクターエミッタ間の電圧降下):小さい。(動作時の電力の損失が小さい)

「ユニポーラ型(FET)」
電界効果トランジスタの略でFETと呼ばれる。
電流の増幅や回路のON/OFFスイッチングを行う素子。
入力電圧(ゲート電圧)で出力電流(ドレインーソース電流)を制御する電圧制御素子である。
ゲート(G)、ドレイン(D)、ソース(S)の3端子で構成される。
キャリアが1つ(電子又は正孔のどちらか)なのでユニポーラ型トランジスタと呼ばれる。
キャリア(電流)の通路をチャネルと呼び、チャネルがn型半導体のものはnチャネル型、p型半導体のものはpチャネル型という。
ゲート(G)とチャネル間が直接繋がっている接合型と、酸化膜(絶縁)があるMOS型がある。

「ユニポーラ型の特徴」

  • 消費電力:小さい。
  • スイッチング動作:速い。(キャリアの蓄積が無いため、蓄積時間の遅延が無くスイッチングが速い)
  • 温度安定性:高い。
  • 入力インピーダンス:大きい。(ゲートに流れる電流はほぼ0である)
  • 耐性:弱い。
  • オン抵抗(ドレイン・ソース間の抵抗値):大きい。(動作時の電力の損失が大きい)

(1)

消費電力は、バイポーラ型が大きく、ユニポーラ型(FET)が小さいのでとなります。

(2)

耐性は、バイポーラ型が強く、ユニポーラ型(FET)が弱いのでとなります。

(3)

入力インピーダンスは、バイポーラ型が小さく、ユニポーラ型(FET)が大きいのでとなります。

(4)

バイポーラ型は電流制御素子、ユニポーラ型(FET)は電圧制御素子なのでとなります。

(5)

キャリアは、バイポーラ型が電子と正孔の両方、ユニポーラ型(FET)が電子又は正孔のどちらかなのでとなります。

解答

誤りは(4)となります。

タイトルとURLをコピーしました