問題
方針
「RLC直列回路」と「RLC並列回路」の合成インピーダンスの問題です。(平成22年問13と同じ問題ですが、選択肢の順番が違います)
図1のrとLの直列回路の部分が、図2のRPとLの並列回路に該当するので、両方の合成インピーダンス(合成アドミタンス)が等しくなるようなRPを求めたいと思います。
解法
「RLC直列回路の合成インピーダンス」
$\displaystyle \dot{Z}=\dot{Z_R}+\dot{Z_L}+\dot{Z_C}=R+jωL+\frac{1}{jωC}=R+j\left(ωL-\frac{1}{ωC}\right) $
図1のrとLの直列回路の合成インピーダンスは、上記のコンデンサが無い式になるので以下となります。
$\displaystyle \dot{Z}=r+jωL $
「RLC並列回路の合成アドミタンス」
$\displaystyle \dot{Y}=\frac{1}{\dot{Z}}=\frac{1}{\dot{Z_R}}+\frac{1}{\dot{Z_L}}+\frac{1}{\dot{Z_C}}=\frac{1}{R}+\frac{1}{jωL}+jωC=\frac{1}{R}+j\left(ωC-\frac{1}{ωL}\right) $
図2のRPとLの並列回路の合成アドミタンスは、上記のコンデンサが無い式になるので以下となります。
$\displaystyle \dot{Y}=\frac{1}{\dot{Z}}=\frac{1}{R_P}-j\frac{1}{ωL} $
図1の直列回路の合成インピーダンスZをアドミタンスYに変形します。
$\displaystyle \dot{Y}=\frac{1}{\dot{Z}}=\frac{1}{r+jωL}=\frac{r-jωL}{(r+jωL)(r-jωL)}=\frac{r-jωL}{r^2+(ωL)^2} $
さらに実数部と虚数部に分けると以下のようになります。
$\displaystyle \frac{r-jωL}{r^2+(ωL)^2}=\frac{r}{r^2+(ωL)^2}-j\frac{ωL}{r^2+(ωL)^2} $
図1のrL直列回路と、図2のRPL並列回路の合成インピーダンス(合成アドミタンス)は等しくなるはずなので、両方の抵抗に該当する実数部分は同じになります。
$\displaystyle \frac{1}{R_P}=\frac{r}{r^2+(ωL)^2} $
$\displaystyle R_P=\frac{r^2+(ωL)^2}{r} $
問題文よりrはωLに対して十分小さいので、r2を無くすと以下の式になります。
$\displaystyle R_P=\frac{(ωL)^2}{r} $
解答
解答は(3)となります。