問題


方針
振幅変調(AM変調)に関する問題です。(平成20年問18と同じ問題ですが、選択肢の順番が違います)
「検波回路」、振幅変調回路については「エミッタ接地増幅回路」を参考に考えたいと思います。
解法
(a)
「検波回路」
振幅変調(AM変調)は、送信したいアナログ信号波を、搬送波(正弦波)の振幅方向の強弱を利用して伝送する方式である。
搬送波と信号波を合成したものを変調波といい、搬送波と信号波の比を変調度という。

検波回路によって、振幅変調した変調波から信号波を取り出す。
下記は最も簡単な包絡線検波回路である。
変調波の入力をダイオードに通すことで正領域の信号だけを取り出す。
コンデンサと抵抗が並列接続されており、搬送波の周波数は高いため、コンデンサのリアクタンスは小さく短絡状態となり、搬送波成分はすべてコンデンサ側に流れる。
信号波の周波数では、コンデンサは開放状態となり、信号波成分はすべて抵抗側に流れる。
搬送波周波数fc、信号波周波数fs、時定数τ=CRのとき、fs<<1/τ<<fcとなるように設計する。

上記より(ア)は「高い」となります。
上記より(イ)は「信号波」となります。
上記より(ウ)は「正弦波」となります。
上記より(エ)は「検波」となります。
(ア)~(エ)すべてを満たすのは(2)となります。
(b)
「エミッタ接地増幅回路」
入力と出力の共通端子がエミッタで、ベースに入力電圧を印加することで、コレクタから出力電圧を取り出す回路。

問題の振幅変調回路について考えます。
上記はエミッタ接地増幅回路ですが、ベースの信号をコレクタに増幅して出力する回路となります。
問題の振幅変調回路についても、ベースの入力をコレクタで出力する回路となるので、ベース入力は信号波と搬送波で、コレクタ出力は合成された変調波となります。従って(ア)は「ベース」となります。
コレクタ出力の合成された変調波がv3なので、(エ)は「図2(b)」となります。
この時点で選択肢は(5)となります。
入力のv1とv2に関しては、図2の(a)の信号波または(c)の搬送波となりますが、周波数の高いほうが搬送波なので、選択肢(5)の通りv1が搬送波の「図2(c)」、v2が信号波の「図2(a)」となります。
変調度を求めると、変調度の式でa=8[V]、b=4[V]より以下となります。
変調度 $\displaystyle=\frac{a-b}{a+b}=\frac{8-4}{8+4}≒0.33=33 \ [\%] $
解答
(a)の解答は(2)となります。
(b)の解答は(5)となります。