問題

方針
調相設備に関する問題です。(平成16年問8と同じ問題ですが、選択肢の順番が違います)
(ア)(イ)については「進相コンデンサ」
(ウ)については「分路リアクトル」
(エ)については「同期調相機」
(オ)については「静止形無効電力補償装置」
上記より考えたいと思います。
解法
(ア)(イ)
「進相コンデンサ(SC)」
調相設備とは、電圧の調整と力率の改善を行うための設備である。
需要家では、進相コンデンサと直列リアクトルで構成される進相コンデンサ設備が負荷に並列に接続される。電力用コンデンサとも呼ばれる。(内線規程・高圧受電設備規程で、直列リアクトルの設置が義務化されている)
負荷設備に電力が供給された場合の遅れ無効電力を、コンデンサの進み無効電力で打ち消し、電力損失(電圧降下)を改善する。(力率を改善する)
上記より(ア)は「並列」となります。
上記より(イ)は「進める」となります。
(ウ)
「分路リアクトル」
電力系統の静電容量の増加に伴う電圧上昇を抑制するため、遅れ無効電力を供給する設備。
上記より(ウ)は「遅らせる」となります。
(エ)
「同期調相機(励磁制御)」
無負荷で運転される同期電動機で、界磁電流を調整することでコンデンサまたはリアクトルとして作用し、無効電力の調整を行う。
上記より(エ)は「界磁電流」となります。
(オ)
「静止形無効電力補償装置(SVC)」
無効電力の流れを調整して電圧を一定に保つ調相設備。
電圧変動や安定度の高度な制御が要求される発電所や変電所で採用される。
進相コンデンサと分路リアクトルを組み合わせて、半導体スイッチ(サイリスタなど)で高速制御し、無効電力を調整する。
上記より(オ)は「半導体スイッチ」となります。
解答
(ア)~(オ)すべてを満たすのは(1)となります。
(ア)(イ)の進相コンデンサの部分が分かれば、解答(1)が導けます。