電験三種(令和6年度下期) 電力 問7

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問題

方針

計器用変成器の「計器用変流器」に関する問題です。(平成22年問9と同じ問題ですが、選択肢の順番が違います)

解法

(ア)(イ)(ウ)(エ)(オ)

「計器用変流器(CT)」
大電流を安全かつ正確に測定するために、変圧器の原理(巻数比の逆数)で高電流を低電流に変換する。
二次側は5A電流となり、合計容量が定格負担[VA]以下となるように設置する。
回路に直列に接続する。三相3線式回路にはCTを2台使用して、2相分の電流値を計測する。(残りの1相はベクトルの合成で求まる)
回路に直接接続しない、貫通形もある。(一次側の電線をCTの穴に通してクランプメーターのように使用する)
二次側を開放してはならない。電流計交換時は二次側を短絡して行う。(一次側は定電流源なので、二次側に電流が流れている状態で抵抗が∞となり過電圧(V=∞×5)となり、焼損する)

上記より(オ)は「直列」となります。
上記より(イ)は「開放」となります。
この段階で、解答は(4)となります。
上記の開放してはいけない理由より、(ア)は「低インピーダンス」、(ウ)は「電圧」となります。
鉄損」は、鉄心による損失で、磁束の変化で発生する損失です。
銅損」は、負荷電流による抵抗の損失で、電流の2乗に比例する損失です。
二次側を開放すると、一次側の磁束が二次側電流による磁束で相殺できなくなり、磁気飽和が起こります。従って、(エ)は磁束変化による損失「鉄損」となります。

解答

(ア)~(オ)すべてを満たすのは(4)となります。
変流器の「直列接続」と「二次側開放厳禁」を知っていれば解答はできるので、三種では二次側を開放すると何故ダメなのかの理論的説明は求められていないかも知れません。

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