電験三種(令和6年度下期) 電力 問11

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問題

方針

受変電設備についての範囲の広い問題です。
(1)については「避雷器(LA)
(2)については「高圧交流負荷開閉器(LBS)
(3)については「遮断器(CB)」「開閉器
(4)については「計器用変成器」「電力需給用計器用変成器(PCT)(VCT)
(5)については「進相コンデンサ(SC)
上記より考えたいと思います。

解法

(1)

「避雷器(LA)」
サージ防護デバイス(SPD)、アレスタとも呼ばれる。
落雷時に侵入する雷サージや、負荷の開閉時に発生する開閉サージなどに起因する過電圧を、大地間の誘導路を使って放電し、電圧(波高値)を制限する。(制限電圧)
放電後は大地への続流(放電が終わった後も引き続き電流を流し続けてしまう現象)を遮断して、電圧をもとの状態に戻す。(続流遮断)
需要場所の引込口など、保護対象機器にできるだけ接近して取り付けると有効である。
避雷器の定格電圧は、公称電圧の1.4倍である。(6000Vなら8400V)
高圧用の避雷器にはA種接地工事を施す。避雷器用の接地端子は、他の接地端子と共用できない。
ギャップ付とギャップレスがあるが、発変電所ではギャップレス避雷器が主流である。

上記よりとなります。

(2)

「高圧交流負荷開閉器(LBS)」
高圧の負荷電流を開閉するために変圧器の一次側に設置する。
開閉器自体は、負荷電流の遮断が可能だが、短絡などの大電流は遮断できない
過電流の遮断のために、消弧室とパワーヒューズ(PF)が三相分付いているものが一般的である。
過電流や短絡電流で一相がヒューズが溶断すると、ストライカという棒がヒューズから突き出て、残り二相も遮断する。(ストライカ引外し機能)
ヒューズが溶断したときに発生したアークが、他の相に影響を与えないように絶縁バリア(板)を持つ。

上記よりとなります。

(3)

「遮断器(CB)」
負荷電流の開閉および、回路の短絡や地絡事故発生時に、迅速かつ安全に回路を遮断する。
「開閉器」
保守点検や事故時の切り離しのため、電力会社からの受電点や構内区分点に設置する。

上記の通り、問題文は「開閉器」の説明なのでとなります。

(4)

「計器用変成器」
高電圧や高電流を、指示計器や継電器用の電圧・電流に変換する機器の総称。
「電力需給用計器用変成器(PCT)(VCT)」
受電設備の断路器電源側に取り付け、電力会社からの受電電力量を計測するために取引用電力量計とセットで設置される。電力会社の財産となる。

上記よりとなります。

(5)

「進相コンデンサ(SC)」
調相設備とは、電圧の調整と力率の改善を行うための設備である。
需要家では、進相コンデンサと直列リアクトルで構成される進相コンデンサ設備が負荷に並列に接続される。電力用コンデンサとも呼ばれる。(内線規程・高圧受電設備規程で、直列リアクトルの設置が義務化されている)
負荷設備に電力が供給された場合の遅れ無効電力を、コンデンサの進み無効電力で打ち消し、電力損失(電圧降下)を改善する。(力率を改善する)

言葉が紛らわしいかもしれませんが、消費=負荷なので、コンデンサは進み無効電力の負荷となります。言い換えると、遅れ無効電力を供給して力率を改善しています。
従ってとなります。

解答

誤りは(3)となります。

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