問題

方針
汽力発電に関する計算問題です。(平成17年問15と同じ問題です)
(a)は、汽力発電の「発電端熱効率」に関する問題です。
(b)は、「燃焼計算」に関する問題です。
解法
(a)
「発電端熱効率」
ボイラに入力した燃料エネルギーに対する、発電機が出力したエネルギーの比率。
発電端熱効率=発電機の出力(熱量値)/ボイラに供給した燃料の発熱量
$\displaystyle η_P=\frac{3600P_G}{BH} $
$B$:1時間あたりの燃料消費量 [$kg/h$]
$H$:燃料発熱量 [$kJ/kg$]
$P_G$:発電機出力 [$kW$]
下記の値より「発電端熱効率」の式で、一時間当たりの燃料消費量Bを求めます。
発電端熱効率ηP=41%
発電機出力PG=1000MW=1000×103kW
重油の発熱量H=44000kJ/kg
$\displaystyle 0.41=\frac{3600×1000×10^3}{B×44000} $
$\displaystyle B=199556 \ [kg/h]≒200 \ [t/h] $
(b)
燃焼の化学反応式で、二酸化炭素CO2が生成される式は以下の式となる。
$\displaystyle C+O_2→CO_2 $
炭素C(1mol)と酸素O2(1mol)が結合し、二酸化炭素CO2(1mol)が生成される。
炭素Cの原子量(12)より、炭素C(1mol)の質量は12gとなる。
二酸化炭素CO2の分子量は、C+O2=12+16+16=44なので、二酸化炭素CO2(1mol)の質量は44gとなる。
1日に発生する二酸化炭素の重量を求めたいので、1日の炭素の重量を求めます。
一時間の重油消費量が200tなので、1日の石炭消費量は200×24=4800tとなります。
重油の重量比で炭素は85%なので、1日の炭素消費量は4800×0.85=4080tとなります。
化学反応式より、炭素1mol(12g)で二酸化炭素1mol(44g)が生成されることが分かります。
1日の炭素量4080tで生成される二酸化炭素の重量Xを比例式より求めます。
$\displaystyle
12:44=4080:X
$
$\displaystyle
X=14960≒15.0×10^3 \ [t]
$
解答
(a)の解答は(4)となります。
(b)の解答は(3)となります。