電験三種(令和6年度下期) 法規 問4

スポンサーリンク

問題

方針

B種接地の抵抗値を求める問題です。(平成24年問10と同じ問題です)
B種接地抵抗値」は条件によって3種類あります。問題文の計算式を使って高圧側の「1線地絡電流」を求めます。

解法

「B種接地抵抗値」
B種接地の接地抵抗値RBは、高圧側の1線地絡電流Igによって規定される。(電技解釈第17条)
混触した時に低圧電路の電位上昇を150V以下になるようにする。

  • RB<=150/Ig
  • RB<=300/Ig(低圧電路の対地電圧が150V超で、高圧側に2秒以内に自動遮断する装置がある場合)
  • RB<=600/Ig(低圧電路の対地電圧が150V超で、高圧側に1秒以内に自動遮断する装置がある場合)

問題文に「低圧電路の対地電圧が150Vを超えた場合に、1秒以内に自動的に高圧電路を遮断する装置を施設している」とあるので、使用する計算式は以下となります。

$\displaystyle R_B\leqq\frac{600}{I_g} $

「電線路の地絡電流」
絶縁電線路とケーブル電線路の地絡電流を求める。
地絡電流Ig=1+ケーブル以外の計算式+ケーブルの計算式は以下となる。

$\displaystyle I_g=1+\frac{\displaystyle\frac{V’L}{3}-100}{150}+\frac{\displaystyle\frac{V’L’}{3}-1}{2} $

$I_g$:1線地絡電流 [$A$]
$V’$:電路の公称電圧(6.6kVなら6kV) [$kV$]
$L$:電路の電線延長 [$km$]
$L’$:電路のケーブル延長 [$km$]

三相3線式(架空電線)が3回線でこう長10kmなら、3本の電線が3回線なので、L=3×3×10=90km
ケーブル(地中電線)が2回線でこう長10kmなら、1本のケーブルが2回線なで、L’=1×2×10=20km
V’は電圧を1.1を割ったもので単位は[kV]、長さの単位は[km]である。
地絡電流Igは、小数点以下切り上げとする。

問題文に「三相3線式の架空配電線路」とあるので、ケーブルではなく電線3本でこう長20kmとなります。電路の電線延長Lは以下となります。

$\displaystyle L=3×20=60 \ [km] $

公称電圧6600Vなので、電路の公称電圧Vは1.1で割ったもので単位はkVとなります。

$\displaystyle V=\frac{6.6}{1.1}=3 \ [kV] $

問題文の計算式に代入して、1線地絡電流I1を求めます。

$\displaystyle I_1=1+\frac{\displaystyle\frac{V}{3}L-100}{150}=1+\frac{\displaystyle\frac{6}{3}×60-100}{150}≒1.13 \ [A] $

地絡電流は小数点以下切り上げなので、I1=2となります。
「B種接地抵抗値」の式より接地抵抗値RBを求めます。

$\displaystyle R_B\leqq\frac{600}{I_1}=\frac{600}{2}=300 \ [Ω] $

解答

解答は(4)となります。

タイトルとURLをコピーしました