電験三種(令和6年度下期) 法規 問11

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問題

方針

流況曲線と発電流量」に関する問題です。(平成15年問11と同じ問題です)
発電電力量の計算は「水力発電機出力」の式で求めたいと思います。

解法

(a)

問題では、流量Qと日数dの関係式である流況曲線の式(Q=ー0.05d+25)が与えられています。
溢水が発生するのは、水力発電所の最大使用水量以上の流量が発生する日数なので、流況曲線の式に最大使用水量Qmax=15m3/sを代入して日数を求めます。

$ Q=-0.05d+25 $

$ 15=-0.05d+25 $

$ d=200 \ [日] $

(b)

「流況曲線と発電流量」
流況曲線は、流量Qを日数dの式で表わせる。(例:Q=ー0.05d+25)
1年間の水力発電の電力量を算出する場合、365日のうち最大使用水量の日数の電力量+それ以外の日数の電力量となる。
最大使用水量の日数の電力量を求める場合は、最大使用水量をQMに流量曲線の式に代入し、発電所が最大使用水量で発電できる日数dMを求めて電力量を算出する。
それ以外の日数の電力量を求める場合は、平均使用水量QTを求めて、それ以外の日数dT=365ーdMから電力量を算出する。
平均使用水量QTは、(最大使用流量QM+流況曲線の示す最低流量)/2となる。

1年間の水力発電の電力量を算出する場合、365日のうち最大使用水量の日数の電力量+それ以外の日数の電力量となります。
それ以外の日数の電力量を求める場合は、平均使用水量QTを求めて電力量を計算します。
平均使用水量QTは、(最大使用流量+流況曲線の示す最低流量)/2となるので、流況曲線の式にd=365を代入して、最低使用流量Qminを求めます。

$ Q_{min}=-0.05d+25=-0.05×365+25=6.75 \ [m^3/s] $

平均使用水量QTを求めます。

$\displaystyle Q_T=\frac{Q_{max}+Q_{min}}{2}=\frac{15+6.75}{2}=10.875 [m^3/s] $

「水力発電機出力」の式

発電機出力=$9.8QHη_tη_g \ [kW] $

$Q$:流量 [$m^3/s$]
$H$:有効落差 [$m$]
$η_t$:水車効率
$η_g$:発電機効率

有効落差H=20m、水車効率ηt=90%、発電機効率ηg=95%なので、「水力発電機出力」の式より、最大使用水量Qmax=15m3/sでの電力PMを求めます。

$ P_M=9.8QHη_tη_g=9.8×15×20×0.9×0.95=2513.7 \ [kW] $

最大使用水量で発電できる日数は(a)より200日なので、発電電力量WMは以下となります。

$ W_M=2513.7×200×24=12065760≒12.07 \ [GW・h] $

同様に、平均使用水量QT=10.875m3/sでの電力PTを求めます。

$ P_M=9.8QHη_tη_g=9.8×10.875×20×0.9×0.95=1822.4325 \ [kW] $

平均使用水量で発電できる日数は、残りの165日なので、発電電力量Wは以下となります。

$ W_T=1822.4325×165×24=7216832.7≒7.22 \ [GW・h] $

年間の発電電力量は以下となります。

$ W_M+W_T=12.07+7.22≒19.3 \ [GW・h] $

解答

(a)の解答は(3)となります。
(b)の解答は(1)となります。

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