問題

方針
「単巻変圧器」に関する問題です。(平成25年問8と同じ問題ですが、選択肢の順番が違います)
解法
(ア)(イ)
「単巻変圧器の構造」
一次巻線と二次巻線が絶縁されておらず、巻線が一つで巻線の一部から端子が出ている構造の変圧器。
昇圧器や降圧器として使用される。
- 分路巻線
一次側と二次側の共通部分。分路巻線の一次電流は、負荷が無い場合の励磁電流(90°の遅れ電流)と、負荷がある場合の負荷電流のベクトル和となる。
(負荷電流でも磁束が生じるが、負荷電流は二次側にも流れるため、両者で逆向きとなり相殺されるので考慮しなくてよい) - 直列巻線
二次側のみの部分。
上記より(ア)は「分路巻線」となります。
上記より(イ)は「直列巻線」となります。
(ウ)
「負荷容量」
負荷容量は二次側に負荷を接続した時の変圧器の容量(皮相電力)で、一次側=二次側となる。

$\displaystyle S=E_LI_L=E_HI_H \ [VA] $
「自己容量」
自己容量は、直列巻線部分と分路巻線部分の容量(皮相電力)で、直列巻線部分=分路巻線部分となる。自己容量は負荷容量より小さい。

$\displaystyle S=E_1I_1=E_2I_2 \ [VA] $
上記より(ウ)は「負荷容量」となります。
(エ)(オ)
- 長所:材料の節約、小型で軽量で安価である。漏れインピーダンス・電圧変動率・損失が小さく効率が高い。
- 短所:インピーダンスが小さいので短絡電流が大きい。絶縁されていないので、低圧側に異常電圧が影響してしまう。
上記より(エ)は「少なく」となります。
上記より(オ)は「小さい」となります。
解答
(ア)~(オ)すべてを満たすのは(3)となります。