電験三種(令和6年度下期) 機械 問9

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問題

方針

VーV結線の変圧器の負荷損を求める問題です。(平成16年問8と同じ問題です)
VーV結線」の変圧器では定格容量が2倍ではなく√3倍となる特徴があります。
変圧器の規約効率」より、負荷損は負荷率・負荷電流・負荷電力の2乗に比例します。ここでは負荷率を利用して求めたいと思います。

解法

「負荷率と負荷損」
負荷率は、α=負荷/全負荷=負荷の皮相電力/定格容量で表される。
負荷損(銅損)は、負荷率・負荷電流・負荷電力の2乗に比例する。負荷が2倍になると銅損は4倍になる。

負荷損Pcは、負荷率αの2乗に比例します。
負荷率αは、負荷の皮相電力/定格容量で表すことができます。

「VーV結線」
角変位:一次、二次間は同相である。
用途:Δ-Δ結線の故障時の応急対応として使われる。
V結線では、相電圧=線電圧、相電流=線電流となる。
YまたはΔ結線では1台の変圧器定格容量Pとすると、3台使用するので3倍の3Pとなるが、V結線では2台使用しても2Pではなく√3Pにしかならない

単相変圧器1台の定格容量をPとすると、2台をV-V結線した時の定格容量は√3Pとなります。
問題文より1台の定格容量P=100kVAより、V-V結線した時の定格容量P’は以下となります。

$\displaystyle P’=\sqrt{3}P=\sqrt{3}×100×10^3 \ [VA] $

三相平衡負荷90kWの力率は1なので、負荷の皮相電力Sは有効電力と同じで以下となります。

$\displaystyle S=90×10^3 \ [VA] $

負荷率αを求めます。

$\displaystyle α=\frac{負荷の皮相電力}{定格容量}=\frac{S}{P’}=\frac{90×10^3}{\sqrt{3}×100×10^3}≒0.52 $

負荷損Pcは、負荷率αの2乗に比例し、定格負荷時(α=1)の変圧器1台の負荷損が1600Wなので、負荷率αの時の負荷損Pcを求めます。

$\displaystyle 1^2:0.52^2=1600:P_c $

$\displaystyle P_c=432.64 \ [W] $

2台分の負荷損の合計値は以下となります。

$\displaystyle P_c×2=432.64×2≒864 \ [W] $

解答

解答は(4)となります。

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