電験三種(令和6年度下期) 機械 問10

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問題

方針

太陽光発電に関する問題です。
太陽光発電の構成」「パワーコンディショナ」の役割のほか、パワーコンディショナで使用される「チョッパ回路」「パルス幅変調(PWM)」などの内容を含む範囲の広い問題です。

解法

(1)

「太陽光発電の構成」
等価回路では直流定電流源として示され、昇圧チョッパインバータで交流に変換される。
交流系と接続する場合はインバータ(逆変換装置)を内蔵した連系保護装置(パワーコンディショナ)を介して接続する。

上記より太陽光パネルの電圧を、降圧チョッパではなく昇圧チョッパで昇圧するので、となります。

(2)(5)

「パワーコンディショナ(連系保護装置)」
インバータによって太陽電池で作られた直流を交流に変換する。
5%程度のロスが発生する。
配電系統へ連系するため、発電量を調整し、系統電圧の上昇を抑制する保護装置も内蔵している
位相・周波数を監視し、単独運転時の系統からの引き離しを行う
出力電力と出力電圧が最大となる動作点を制御する最大電力点追従機能(MPPT機能)を有する

上記よりとなります。

(3)

「昇圧チョッパ回路」
入力電圧以上の電圧を生成する回路。

  • スイッチQが閉じている時間は、電源電圧Eからの電流は、コイルLに電磁エネルギーを蓄積してスイッチQを通って戻る。
    このときダイオードDには電流は流れず、コンデンサCに蓄積された静電エネルギーが電源となって抵抗Rに電流が流れる。
    このときコンデンサCの静電エネルギーによる放電は、リプル電圧(微小な電圧変動)を低減し平滑化の役割をする
  • スイッチQが開いている時間は、電源電圧E+コイルLの電磁エネルギーが電源となり、負荷RとコンデンサCに電流が流れる。
    このときダイオードDは電流が流れ、コンデンサCに静電エネルギーが蓄積される。

上記はチョッパ回路のコンデンサの記述ですが、これに限らずコンデンサ(キャパシタ)は電圧変動を平滑化する役割があるのでとなります。

(4)

「パルス幅変調(PWM)」
入力信号の振幅を矩形波の長さに変換してスイッチング素子を動作させる方式で、インバータで交流波形を作成する方法である。
交流波形の作成方法
入力波形を信号波といい、変調のタイミングを生成する信号を搬送波(キャリア)という。
交流を出力する場合、正弦波を信号波とし、搬送波(キャリア)は周波数の高い三角波とする。(三角波比較方式)
正弦波の信号波(電圧指令値)と三角波の搬送波(キャリア)の比較により、スイッチング素子のON/OFFを制御するゲート信号(矩形波)を生成する。
信号波(電圧指令値)>三角波(キャリア値)のとき、対角に位置するトランジスタにオン信号を入れ、他方の対のトランジスタには反転信号が入る。(三相交流の三相変調では、上側のトランジスタにオン信号、下側のトランジスタには反転信号が入る)
このトランジスタのスイッチングによって、パルス幅が入力波形に比例した矩形波が出力され、その平均電圧が正弦波状となる。
出力される矩形波をローパスフィルタ回路に通すことで、高調波成分を取り除き、平滑された正弦波に近づける。

上記よりとなります。

解答

誤りは(1)となります。
パワーコンディショナの知識として(1)(2)(5)を覚えておけばよいと思います。

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