電験三種(令和6年度下期) 機械 問15

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問題

方針

同期発電機に関する計算問題です。
(a)については「同期インピーダンス」の式
(b)については「力率1の同期発電機のベクトル図」「同期機の出力」の式
上記より考えたいと思います。

解法

(a)

「同期インピーダンス」
同期インピーダンスZとは、同期機のインピーダンスで、電機子巻線の内部インピーダンスのことである。
同期インピーダンスは、三相短絡の等価回路より、定格速度、無負荷運転時の短絡電流Is、誘導起電力Eより求まる。

$\displaystyle I_s=\frac{E}{Z}=\frac{\displaystyle\frac{V}{\sqrt{3}}}{Z} $

$I_s$:短絡電流 [$A$]
$E$:1相の誘導起電力 [$V$]
$Z$:同期インピーダンス [$Ω$]
$V$:線電圧 [$V$]

定格電圧V=6600V、三相短絡電流Is=800Aより、一相等価回路より一相分の同期インピーダンスZを求めます。

$\displaystyle Z=\frac{E}{I_s}=\frac{\displaystyle\frac{6600}{\sqrt{3}}}{800}≒4.76 \ [Ω] $

(b)

力率1で負荷角δ=30°のときの同期発電機のベクトル図は以下のようになります。

「力率1のときのベクトル図」
力率1(cosθ=1)でθ=0となり、端子電圧Vと負荷電流Iは同方向となる。
端子電圧V、誘導起電力E、同期リアクタンス降下Ixsは負荷角δの直角三角形となる。

ベクトル図より、一相の端子電圧V=6600/√3のとき誘導起電力Eは以下のようになります。

$\displaystyle V=Ecosδ $

$\displaystyle \frac{6600}{\sqrt{3}}=E×\frac{\sqrt{3}}{2} $

$\displaystyle E=4400 \ [V] $

「同期機の出力」の式

$\displaystyle P=3\left(\frac{EV}{X}\right)sinδ \ [W] $

$P$:三相出力 [$W$]
$E$:誘導起電力 [$V$]
$V$:端子電圧 [$V$]
$X$:リアクタンス [$Ω$]
$δ$:EとVの位相差(負荷角)

(a)より、一相分のリアクタンスX=4.76Ωとなります。
「同期機の出力」の式より、三相分の発電機の出力Pを求めます。

$\displaystyle P=3\left(\frac{4400×\displaystyle\frac{6600}{\sqrt{3}}}{4.76}\right)×\frac{1}{2}≒5289745≒5.28 \ [MW] $

解答

(a)の解答は(2)となります。
(b)の解答は(3)となります。

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