電験三種(令和6年度下期) 理論 問1

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問題

方針

異なる誘電率のコンデンサの問題です。(平成7年問1と同じ問題です)
異なる誘電率の合体コンデンサ」より直列接続の二つのコンデンサに分解して考えます。
コンデンサの直列接続」「コンデンサの電気量」「静電容量」より電荷量を求めたいと思います。

解法

「異なる誘電率の合体コンデンサ」
誘電率が異なる誘電体や、極板が挿入された場合は、直列・並列接続の二つのコンデンサに分解して考える
「コンデンサの直列接続」
合成静電容量は、合成静電容量の逆数が各静電容量の逆数の和となる。(和分の積で求めることができる)

$\displaystyle C=\frac{C_1C_2}{C_1+C_2} $

「コンデンサの電気量」の式

$\displaystyle Q=CV \ [C] $

$Q$:電荷 [$C$]
$C$:静電容量 [$F$]
$V$:電圧 [$V$]

「静電容量」の式

$\displaystyle C=\frac{εA}{d} \ [F] $

$C$:静電容量 [$F$]
$ε$:誘電率 [$F/m$]
$A$:板の面積 [$m^2$]
$d$:板の距離 [$m$]

図のコンデンサは以下のような直列接続として考えられます。

「静電容量」の式から、二つのコンデンサの静電容量C1、C2を求めます。
比誘電率(εS)は、真空の誘電率(ε0)に対する媒質の誘電率(ε’)なので、ε’=εsε0となります。
板の面積がA=0.1m2、コンデンサの板の距離はd1=2×10-3m、d2=4×10-3m
誘電率はε1’=2×8.85×10-12=17.7×10-12F/m、ε2’=4×8.85×10-12=35.4×10-12F/m

$\displaystyle C_1={ε_1}’\frac{A}{d_1}=17.7×10^{-12}×\frac{0.1}{2×10^{-3}}=8.85×10^{-10} \ [F] $

$\displaystyle C_1={ε_2}’\frac{A}{d_2}=35.4×10^{-12}×\frac{0.1}{4×10^{-3}}=8.85×10^{-10} \ [F] $

コンデンサの直列接続の合成静電容量Cを求めます。

$\displaystyle C=\frac{C_1C_2}{C_1+C_2}=\frac{8.85×10^{-10}×8.85×10^{-10}}{8.85×10^{-10}+8.85×10^{-10}}=4.425×10^{-10} \ [F] $

コンデンサに印加される電圧は12Vなので、コンデンサ全体の電気量を求めます。

$\displaystyle Q=CV=4.425×10^{-10}×12≒5.3×10^{-9} \ [C] $

解答

解答は(1)となります。

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