電験三種(令和6年度下期) 理論 問18

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問題

方針

オペアンプ(演算増幅器)」に関する問題です。((b)は平成22年問18(b)と同じ問題ですが、選択肢の順番が違います)

解法

(a)

「オペアンプ(演算増幅器)」
入力端子の微小な電圧差を、大きく増幅した電圧を出力する差動増幅器。
差動増幅器とは、入力信号のノイズ(同相成分)を除去して、必要な信号(差動成分)だけを増幅する回路。
入力端子が反転入力(ー)と非反転入力(+)の2つで、出力端子(+)が一つの回路である。
抵抗との組み合わせで増幅回路や、コンデンサとの組み合わせで微分、積分出力回路を実現できる。
電圧利得(電圧増幅度)が非常に大きい
周波数特性は平坦である。
入力インピーダンスが非常に大きいので、入力電流はほぼ0である。
出力インピーダンスが非常に小さいので、負荷の影響を受けにくい。
周波数特性に寄らないので、直流・交流どちらでも利用できる。
オフセット電流、電圧(出力を0にするための入力値)は0である。
動作に電源が必要で、最大出力電圧はオペアンプの電源電圧値となる。

(1)電圧のアナログ信号を処理するのでとなります。
(2)入力インピーダンスは大きく、出力インピーダンスは小さいのでとなります。
(3)入力端子が反転入力と非反転入力の2つで、出力端子が一つなのでとなります。
(4)入力端子の微小な電圧差を増幅した電圧を出力するのでとなります。
(5)電圧利得(電圧増幅度)が非常に大きいのでとなります。

(b)

「反転増幅器(逆相)」
入力信号(電圧)に対して出力信号(電圧)の位相が180度変化する(負となる)増幅回路。
入力信号(+V1)をオペアンプの反転入力端子(ー)に入力する。

$\displaystyle A_v=\frac{V_2}{V_1}=-\frac{R_2}{R_1} $

「非反転増幅器(正相)」
入力信号(電圧)に対して出力信号(電圧)の位相が同相である増幅回路。
入力信号(+V1)をオペアンプの非反転入力端子(+)に入力する。

$\displaystyle A_v=\frac{V_2}{V_1}=1+\frac{R_2}{R_1} $

図1は、入力電圧(+Vi1)をオペアンプの非反転入力端子(+)に入力しているので、「非反転増幅器」となります。
「非反転増幅器」の式より、出力電圧(Vo1)を求めます。
Vi1=0.6V、R1=10kΩ、R2=100kΩを代入します。

$\displaystyle A_v=\frac{V_{o1}}{0.6}=1+\frac{100×10^3}{10×10^3} $

$\displaystyle V_{o1}=6.6 \ [V] $

図2は、入力電圧(+Vi2)をオペアンプの反転入力端子(ー)に入力しているので、「反転増幅器」となります。
「反転増幅器」の式より、出力電圧(Vo2)を求めます。
Vi2=0.45V、R1=30kΩ、R2=200kΩを代入します。

$\displaystyle A_v=\frac{V_{o2}}{0.45}=-\frac{200×10^3}{30×10^3} $

$\displaystyle V_{o2}≒-3.0 \ [V] $

解答

(a)の解答は(2)となります。
(b)の解答は(1)となります。

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