問題

方針
汽力発電の「再熱再生サイクル」で使用される設備に関する問題です。
問題文には「ボイラーの効率化」で使用される設備や、「燃焼による汚染」を減らす装置も含んでいます。
解法
「再熱再生サイクル」
- 再生サイクル:タービンからの蒸気の一部をボイラへの給水の加熱に利用する。
- 再熱サイクル:高圧タービンで使用した蒸気を再熱器(ボイラではない)で加熱して低圧タービンで再利用する。

「ボイラーの効率化」
ボイラの効率を高める装置として、過熱器、エコノマイザ、空気予熱器がある。
燃焼ガスの方向として、燃焼室→過熱器→エコノマイザ→空気予熱器の順で配置する。
(1)
「エコノマイザ(節炭器)」
煙道の排ガスを利用して給水を加熱して、燃料の節約を図る装置。
上記より、水の流れとして「給水ポンプ」→「節炭器」→「ボイラーの蒸気ドラム」は〇となります。
(2)
「過熱器」
煙道の排ガスを利用して飽和蒸気を加熱して過熱蒸気を作り、熱効率を高める装置。
上記より、蒸気の流れとして「蒸気ドラム」→「過熱器」→「高圧タービン」は〇となります。
(3)
「再熱器」
熱効率向上のため、一度高圧タービンで仕事をした蒸気をボイラに戻して加熱するためのものである。加熱した蒸気は低圧タービンで利用する。
上記より、蒸気の流れとして「再熱器」→「低圧タービン」→「復水器」は〇となります。
(4)
燃焼ガスの流れとして「火炉」→「過熱器」→「節炭器」は〇となります。
(5)
「電気集じん装置」
ガスの粒子を帯電させて電極で、燃焼で発生したばいじんを除去する。
「空気予熱器」
煙道の排ガスや蒸気を利用して燃焼空気を予熱して、燃料の節約を図る装置。
「電気集じん装置」は燃焼ガスのばいじんを排出前に除去する装置なので、最終段階の装置です。従って燃焼ガスの流れとして「節炭器」→「空気予熱器」→「電気集じん装置」が正しい順番となるので✖となります。
解答
誤りは(5)となります。

