問題

方針
「送電線の誘導障害」に関する問題です。(平成18年問6と同じ問題ですが、選択肢の順番が違います)
「静電誘導障害電圧」「電磁誘導障害電圧」「誘導障害の対策」より考えたいと思います。
解法
「静電誘導障害電圧」
送電線と通信線や人間などの導電体が接近している場合、送電線および導電体と大地間の静電容量によって導電体に電圧が生じる。
静電誘導電圧は送電線の対地電圧に比例する。
「電磁誘導障害電圧」
送電線と通信線が接近し並行している場合で、送電線に1線地絡や各相不均衡による零相電流が流れた時に、その磁界の電磁誘導の相互インダクタンスによって通信線に電圧が生じる。
電磁誘導電圧は零相電流に比例する。
「誘導障害の対策」
- 距離を離す、電力線と通信線の間に導電率の大きい遮へい線を接地する。(静電誘導対策、電磁誘導対策)
- 送電線をねん架して誘導電圧のベクトル和を0にして各相の不均衡を解消する。(静電誘導対策、電磁誘導対策)
- 通信線への通信用避雷器の設置、金属遮へい層付き通信ケーブル(同軸)、光ケーブルを使用する。(電磁誘導対策)
- 高抵抗接地または非接地で地絡電流を流さない、地絡電流を高速度で遮断する。(電磁誘導対策)
(ア) 送電線の対地電圧に比例する「静電誘導」障害となります。
(イ) 電磁誘導障害は、送電線と通信線の「相互インダクタンス」による障害となります。
(ウ) 各相不均衡による零相電流に比例する「電磁誘導」障害となります。
(エ) ねん架は、誘導電圧の「ベクトルの和」を0にして各相の不均衡を解消する対策となります。
(オ) 各相不均衡による零相電流の発生する「1線地絡」「2線地絡」となります。
解答
(ア)~(オ)すべてを満たすのは(3)となります。

