電験三種(令和7年度上期) 電力 問17

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問題

方針

コンデンサ容量の算定に関する計算問題です。(平成24年問17と同じ問題ですが、選択肢の順番が違います)
(a)については「複数の負荷接続時の力率
(b)については「供給能力を超えた場合に追加するコンデンサ容量
上記より考えたいと思います。

解法

(a)

「複数の負荷接続時の力率」
複数の負荷の総合力率を求めるには、各負荷Pの電力のベクトル図を加算していき、最終的な三角形のcosθを求める。
P1、P2cosθ2、P3cosθ3の合成総合力率。

$\displaystyle P=P_1+P_2+P_3 $

$\displaystyle Q=P_2tanθ_2+P_3tanθ_3 $

複数の負荷が接続された場合、ベクトルの合成で考えます。
負荷P1=500kW、力率cosθ1=0.9の無効電力Q1を求めます。

$\displaystyle sinθ_1=\sqrt{1-(0.9)^2}≒0.44 $

$\displaystyle tanθ_1=\frac{sinθ_1}{cosθ_1}=\frac{0.44}{0.9}≒0.49 $

$\displaystyle Q_1=P_1tanθ_1=500×0.49=245 \ [kvar] $

負荷P2=200kW、力率cosθ2=0.8の無効電力Q2を求めます。

$\displaystyle sinθ_2=\sqrt{1-(0.8)^2}=0.6 $

$\displaystyle tanθ_2=\frac{sinθ_2}{cosθ_2}=\frac{0.6}{0.8}=0.75 $

$\displaystyle Q_2=P_2tanθ_2=200×0.75=150 \ [kvar] $

無効電力Q1と無効電力Q2を合成します。

$\displaystyle Q_1+Q_2=245+150=395 \ [kvar] $

(b)

「供給能力を超えた場合に追加するコンデンサ容量」
負荷P1に負荷P2が増設され、合計の容量S’が変圧器の供給能力S1を超えた場合に、負荷にコンデンサQを並列接続して無効電力を減少させることで、元の供給能力S1にする。
増設前:負荷P1[kW]、無効電力Q1[var]、容量S1[VA]
増設後:負荷P1+P2[kW]、無効電力Q1+Q2[var]、容量S’[VA]
容量S’[VA]=容量S1[VA]になるように進相コンデンサQを挿入する。

$\displaystyle Q_1=P_1tanθ_1 Q_2=P_2tanθ_2 $

$\displaystyle Q_3=\sqrt{{S_1}^2-(P_1+P_2)^2} $

$\displaystyle Q=(Q_1+Q_2)-Q_3 $

定格容量はS1=750kVAです。
三相負荷P1+P2で、定格容量はS1=750kVAのままで供給するときの無効電力Q3を求めます。

$\displaystyle Q_3=\sqrt{{S_1}^2-(P_1+P_2)^2}=\sqrt{{750}^2-(500+200)^2}≒269 \ [kvar] $

三相負荷がP1=500kW、P2=200kWの合計となったときの無効電力は(a)よりQ1+Q2=392kvarとなります。
定格容量を変えない場合、無効電力Q1+Q2=Q3になるようなコンデンサ容量Qを挿入する必要があります。

$\displaystyle Q=(Q_1+Q_2)-Q_3=392-269=123 \ [kvar] $

解答

(a)の解答は(4)となります。
(b)の解答は(4)となります。

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