問題


方針
「第5高調波と調相設備の等価回路」に関する計算問題です。(平成18年問13と同じ問題です)
解法
(a)
問題文より、「負荷設備から発生する第5調波電流は、負荷設備の定格電流に対し15%とする」とあるので、第5調波電流I5は、負荷設備の定格電流Inより求まります。
負荷設備の定格容量S=500kVA、定格電圧Vn=6600Vより、定格電流Inを求めます。
$\displaystyle S=\sqrt{3}V_nI_n $
$\displaystyle I_n=\frac{500×10^3}{\sqrt{3}×6600}≒43.79 \ [A] $
第5調波電流I5は、定格電流Inの15%なので以下となります。
$\displaystyle I_5=I_n×0.15=43.79×0.15≒6.6 \ [A] $
(b)
「第5高調波と調相設備の等価回路」
以下のような調相設備では、高調波電流の発生源を定電流源とする並列の等価回路を作成できる。
負荷で発生する第5高調波電流I5、コンデンサ設備への第5高調波電流ISC、配電系統へ流出する第5高調波電流ISとすると、以下のような関係となる。


上記の等価回路のように、高調波電流源とコンデンサ設備、配電系統は並列回路となります。
コンデンサ設備と配電系統のインピーダンスは、同じ10MVA基準で示されているので、分流式より配電系統への第5調波電流Isを求めます。
$\displaystyle \dot{Z_{SR}}+\dot{Z_{SC}}=j50×\left(6×5-\frac{100}{5}\right)=j500 $
$\displaystyle \dot{Z_S}=j6×5=j30 $
並列回路の分流の式よりIsは以下となります。
$\displaystyle \dot{I_S}=\frac{(\dot{Z_{SR}}+\dot{Z_{SC}})}{\dot{Z_{SR}}+\dot{Z_{SC}}+\dot{Z_S}}\dot{I_5}=\frac{500}{500+30}×6.6≒6.2 \ [A] $
解答
(a)の解答は(2)となります。
(b)の解答は(2)となります。

