電験三種(令和7年度上期) 機械 問1

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問題

方針

直流機の種類」に関する問題です。(平成25年問1と同じ問題ですが、選択肢の順番が違います)
(5)については「直流機のトルク特性」より考えたいと思います。

解法

(1)

「直巻式」
固定子の界磁巻線と、回転子の電機子巻線が直列接続のもの。
無負荷や低負荷では、界磁電流と電機子電流が小さく、界磁磁束が小さくなって回転速度が急上昇するので、電機子巻線を破損する危険がある。
始動時のトルクが大きいのでクレーンなどに使用される
負荷電流と界磁電流は同じなので、負荷がないと電圧確立できない。

上記よりとなります。

(2)(3)

「分巻式」
固定子の界磁巻線と、回転子の電機子巻線が並列接続のもの。
負荷電流によって端子電圧が降下すると界磁電流が減少し、誘導起電力も小さくなるため、電圧変動率は大きくなる。
発電機は、低い電圧で発電が開始され、その後は残留磁束によって界磁電流が増加し、必要電圧まで上昇する。従って分巻方向を残留磁束と逆にすると電圧確立できない。
電動機は、負荷が変動しても、電源電圧が一定なら回転速度の変化が少ないので定速度電動機と呼ばれる
速度制御の方法として、界磁巻線と直列に抵抗を接続し、界磁電流を調整する界磁制御法がある

上記より、となります。

(4)

「複巻式」
直巻・分巻界磁を組み合わせたもの。
無負荷電圧と全負荷電圧が等しくなる(電圧変動を0にする)ようにしたものを平複巻式という。
合成界磁が直巻・分巻界磁の和になるものを和動式、差になるものを差動式という

上記よりとなります。

(5)

「直流機のトルク特性」

  • 他励式:界磁電流は別電源の為、界磁磁束は一定なので、トルクは負荷電流(電機子電流)に比例して増加し、やがて飽和する。
  • 分巻式:負荷電流が小さい時は界磁磁束は一定なので、トルクは負荷電流(電機子電流)に比例する。負荷が大きくなると電機子反作用によって界磁磁束が減少するため、曲線の傾きは緩やかになる。
  • 直巻式:負荷電流(電機子電流)が界磁回路に流れるため、界磁磁束も負荷電流(電機子電流)に比例して大きくなり、トルク曲線は負荷電流(電機子電流)の2乗に比例する。(大きな始動トルクが必要な用途に適している)
    負荷電流(電機子電流)が大きくなると磁束が飽和する為、界磁磁束が一定となり、負荷電流(電機子電流)に比例した曲線となる。
  • 複巻式:直巻式と同じ。

上記の通り、未飽和領域ではトルクは負荷電流の2乗に比例するのでとなります。

解答

誤りは(5)となります。

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