問題

方針
「チョッパ回路」に関する問題です。(平成26年問16と同じ問題ですが、選択肢の順番が違います)
問題文の動作から「降圧チョッパ回路」「昇圧チョッパ回路」を判断して考えていきたいと思います。
解法
(a)
問題文より、Q1とQ2の状態と回路は以下となります。
Q2→常にオフ
Q1→オンの時は赤の回路
Q1→オフの時は青の回路

Q1がオフの時、負荷に電源電圧が加わらないので、「降圧チョッパ回路」となります。
「降圧チョッパ回路」
入力電圧以下の電圧を生成する回路。
スイッチ開閉の時間幅を調整し、繰り返すことで電圧は降圧される。
スイッチが開いている時に、電源電圧が加わらない回路は降圧回路である。
出力電圧Eoは電源電圧Eのとき、以下の式となる。Ton+Toffはスイッチングの1周期である。
$\displaystyle E_o=\frac{T_{on}}{T_{on}+T_{off}}E \ [V] $
$E_o$:出力電圧 [$V$]
$E$:電源電圧 [$V$]
$T_{on}$:オン時間 [$s$]
$T_{off}$:オフ時間 [$s$]
「周期(T)」
1波形の時間。単位[s]。
$\displaystyle T=\frac{1}{f} \ [s] $
$T$:周期 [$s$]
$f$:周波数 [$Hz$]
問題文で与えられているのは、スイッチング周波数f=500Hzなので、スイッチングの1周期Tに変換します。
$\displaystyle T=T_{on}+T_{off}=\frac{1}{f}=\frac{1}{500}=0.002 \ [s] $
電源電圧E=200V、出力電圧の平均値V1(V)=150Vより、「降圧チョッパ回路」の式よりオン時間Tonを求めます。
$\displaystyle 150=\frac{T_{on}}{0.002}×200 $
$\displaystyle T_{on}=0.0015=1.50 \ [ms] $
(b)
(b)では直流機が発電機(電源)となるので、Mが電源電圧、Eが負荷の回路に逆転します。
問題文より、Q1とQ2の状態と回路は以下となります。
Q1→常にオフ
Q2→オンの時は赤の回路
Q2→オフの時は青の回路

Q2がオフの時、負荷(E)に電源電圧(M)が加わるので、「昇圧チョッパ回路」となります。
「昇圧チョッパ回路」
入力電圧以上の電圧を生成する回路。
スイッチ開閉の時間幅を調整し、繰り返すことで電圧は昇圧される。
入力電圧以下の電圧は生成できない。
スイッチが開いている時に、電源電圧が加わる回路は昇圧回路である。
発電機の場合も電源となる。
負荷が発電機Eoとなり、直流電圧Eに電流を流す場合は、E→Eoの昇圧回路として考える。
出力電圧Eoは電源電圧Eのとき、以下の式となる。Ton+Toffはスイッチングの1周期である。
$\displaystyle E_o=\frac{T_{on}+T_{off}}{T_{off}}E \ [V] $
$E_o$:出力電圧 [$V$]
$E$:電源電圧 [$V$]
$T_{on}$:オン時間 [$s$]
$T_{off}$:オフ時間 [$s$]
(a)で求めたとおり1周期T=2.0msで、Q2がオンになっている時間はTon=0.4msなので、オフ時間Toffは以下となります。
$\displaystyle T_{off}=T-T_{on}=2.0-0.4=1.6 \ [ms] $
出力電圧は電源電圧200Vとなるので、Eo=200Vで直流機の電機子電圧Vを「昇圧チョッパ回路」の式より求めます。
$\displaystyle 200=\frac{0.002}{0.0016}V \ [V] $
$\displaystyle V=160 \ [V] $
解答
(a)の解答は(2)となります。
(b)の解答は(4)となります。

