問題


方針
「伝達関数とブロック線図」に関する問題です。(令和4年上期問15と同じ問題ですが、与えられた数値が違います)
「ブロック線図の結合」から伝達関数を考えたいと思います。
解法
(a)
「ブロック線図の結合」
入力X(s)から複数の伝達関数(G1、G2)を通って出力Y(s)するとき、複数の伝達関数は一つに結合することができる。
「直列結合」

「フィードバック結合」

問題のブロック線図は下記に示すような、制御器Kの伝達関数と制御対象のフィードバックの変形との直列結合となります。
「フィードバックの変形に当てはまる場合」

- 上記図はフィードバック(ピンク部分)の戻りルートの伝達関数(G2)が無い形で、その出力に伝達関数Kが直列結合している。
- フィードバック部分の伝達関数(G2)を無くしたものと伝達関数Kを直列結合した式となる。
$\displaystyle C(jω)=\left(\left(\frac{\displaystyle\frac{1}{jωT}}{1+\displaystyle\frac{1}{jωT}}\right)・K\right)R(jω)=\left(\frac{K}{1+jωT}\right)R(jω) $
問題の伝達関数の式は以下となります。
$\displaystyle y=\left(K・\left(\frac{\displaystyle\frac{1}{jωT}}{1+\displaystyle\frac{1}{jωT}}\right)\right)x=\left(\frac{K}{1+jωT}\right)x $
K=2、T=0.5を当てはめます。
$\displaystyle y=\left(\frac{2}{1+jω0.5}\right)x $
(b)
角周波数ωに値を代入して、実部(横軸)と虚部(縦軸)の値を求めて当てはまる曲線を考えます。
ω=0のときを求めます。
$\displaystyle \frac{2}{1+j×0×0.5}=2 $
実部=2、虚部=0なので、該当するのは(1)(3)となります。
ω=2のときを求めます。
$\displaystyle \frac{2}{1+j×2×0.5}=\frac{2}{1+j}=\frac{2(1-j)}{(1+j)(1-j)}=1-j $
実部=1、虚部=ー1なので、該当するのは(3)となります。
解答
(a)の解答は(2)となります。
(b)の解答は(3)となります。

